素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
それを購入してから家へと急ぎ帰り、動きやすい服へと着替えて森の寸前まで向かう方向へ行く辻馬車を捕まえる。
ヴェリエフェンディの王都周辺は、とても力の強い守護竜が居るから魔物はほぼ出ない。けれど、たまに群れからはぐれた個体が方向を誤って紛れ込んでしまうことがあった。
「嘘でしょ……」
アリスが森へと薬草を採取するために向かうと、幾分も歩かない内に明らかに魔物だと思われる動物に遭遇したのだ。その魔物にとっては忌々しい守護竜の加護があるから、早くここから離れたいのに、離れられない。そう言わんばかりに気も立っていたし、運が悪すぎた。
(……出来るだけ離れて……走り出せば……そう、この魔物だって、気が立っているだけで、別に私のことを食べようとか、襲おうとか、そんなつもりじゃ無いかもしれないし)
そう思うのに、ぜんぜん足が縫い止められたように、動かない。
何ともいえない醜悪な獣だった。明らかに魔物だとわかる程度には。じっとアリスを見つめ、その喉笛を掻き切るタイミングを計っているかのようだ。
こくん、と喉が鳴る。その瞬間、飛び掛かられた! とそう思った。
ヴェリエフェンディの王都周辺は、とても力の強い守護竜が居るから魔物はほぼ出ない。けれど、たまに群れからはぐれた個体が方向を誤って紛れ込んでしまうことがあった。
「嘘でしょ……」
アリスが森へと薬草を採取するために向かうと、幾分も歩かない内に明らかに魔物だと思われる動物に遭遇したのだ。その魔物にとっては忌々しい守護竜の加護があるから、早くここから離れたいのに、離れられない。そう言わんばかりに気も立っていたし、運が悪すぎた。
(……出来るだけ離れて……走り出せば……そう、この魔物だって、気が立っているだけで、別に私のことを食べようとか、襲おうとか、そんなつもりじゃ無いかもしれないし)
そう思うのに、ぜんぜん足が縫い止められたように、動かない。
何ともいえない醜悪な獣だった。明らかに魔物だとわかる程度には。じっとアリスを見つめ、その喉笛を掻き切るタイミングを計っているかのようだ。
こくん、と喉が鳴る。その瞬間、飛び掛かられた! とそう思った。