素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 流石のブレンダンもどうしたものかと、ゴトフリーとアリスの顔を困った表情で交互に見てる。

「……ブレンダン、行って。俺ちょっとアリスと話したいことあるから」

 ゴトフリーは、アリスのちいさな手が掴んでいるブレンダンの腕を見ながら、表情をなくして言った。

「……アリスさん、大丈夫?」

 ブレンダンは確認するようにアリスに聞く。アリスはその意味がよくわからないけれど、ゴトフリーが二人の話していた内容から興味を失ってくれるのならそれで良かった。その言葉にこくこくと頷いた。

 ブレンダンはゴトフリーに念を押すように言った。

「一応言っておくが、お前が心配するようなことは何も無いから」

「もう良いから、早く行けよ」

 彼はもうブレンダンの顔を見ようともしない。ブレンダンはアリスを気遣うようにしながら、歩いて城の中へと行ってしまった。

 ゴトフリーは、アリスを座らせると、さっきブレンダンが座っていた場所に腰掛けた。膝の上でぎゅっと大きな手を握り込むと、自分を落ち着かせるようにふーっと大きく息をつく。
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