素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「……ゴトフリーと、えっちなことしたくて。……その私、これが男の人と付き合うの初めてだから、自分からどうやって誘って良いかわからなかったの。だから、ゴトフリーのことを良く知ってる人に聞きたかっただけっ……それだけなの」

 それを聞いたゴトフリーは、ぽかんとした顔をして、どこか呆然としながらぱちんと音をさせて指を鳴らした。それでやっと体を動かせるようになったアリスは空中から落ちる時に抱き止めてくれたゴトフリーの首に抱きついて泣いてしまう。

 そんなアリスをあやすように背中を撫でながら、悔やむようにかすれた声を出した。

「……ごめん、アリス。何よりも大事にしたいって思っているのに、君が誰かに取られるかもしれないと思うと、頭がカッとなって我慢が効かなくなるんだ……お願いだから、許して欲しい」

 そう言った彼の顔は自分が泣き出しそうだ。アリスはその頬にキスをしてから言った。

「ううん。ごめんね。ゴトフリーがやきもち妬きって知ってるのに、私もブレンダンさんと二人で話したのは軽率だったと思ってる……嫌な思いをさせてごめんね」
< 142 / 292 >

この作品をシェア

pagetop