素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「ねえ、アリス。君は俺の事を竜騎士だし人気があるって思っているかもしれないけれど、自分もそんな俺を夢中にさせるくらいかわいいって自覚して。すごく心配だし何してるかも気になるから、仕事にかこつけて会いに行ってしまう。誰かに取られそうでいつも不安なんだ」

 切なそうな顔をしてそう言う彼になんて言って良いのか、アリスは困ってしまった。今までの人生で目に見えてモテていた試しなどないし、自分の知らないところでどんな噂があるかなんて気にしたこともなかった。

 でも、アリスが好きなのは目の前に居るゴトフリーだけだ。どんなに素敵な人が告白して来ても、一秒も悩むことなく彼を選ぶことには間違いない。

「……えっと、えっとね、ゴトフリーあのね」

 アリスは一生懸命言葉を選んだ。きっと彼を不安にさせている一因は自分が彼に言葉をたくさんあげられてないのもあると思ったからだ。確かに今まで愛の言葉を言われることは多くてもそれで満足してしまって、自分は全然返せてないと気がついた。
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