素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
竜騎士の彼は今日の朝まで魔物退治に駆り出されていて、仕事に来たばかりのアリスに今から帰るからと挨拶して行ってしまったから、とっくに帰ったものだと思い込んでいた。うんと軽く頷いて、彼は持っている大きめのバックを見せる。
「……一応、家で何時間か仮眠してから、図書館でちょっと勉強しようかと思ってここに来たんだ。それでアリスの定時まで過ごして、あわよくば一緒に帰ろうかなって思っていた」
「勉強?」
アリスは首を傾げた。若い頃はずいぶんと机に向かっていた自分でさえ、就職してからろくに勉強などしていない。国が行う資格試験などももちろんあるが、アリスは今の職種に必要なものは学生の頃に取得してすべて持っているので、必要ないのだ。
「まだ先なんだけど職分の昇進試験があるから、そろそろ勉強しようかなって思ってて」
アリスが抱えていた何冊かの重い本を取り上げながら、ゴトフリーは笑った。職分の昇進試験というと、上司である人の推挙がないと受けられないものだ。若い彼は今は一騎士だから、いずれ隊の指揮を任されたり、後輩の指導などを行うことを期待されているのだろう。
「……一応、家で何時間か仮眠してから、図書館でちょっと勉強しようかと思ってここに来たんだ。それでアリスの定時まで過ごして、あわよくば一緒に帰ろうかなって思っていた」
「勉強?」
アリスは首を傾げた。若い頃はずいぶんと机に向かっていた自分でさえ、就職してからろくに勉強などしていない。国が行う資格試験などももちろんあるが、アリスは今の職種に必要なものは学生の頃に取得してすべて持っているので、必要ないのだ。
「まだ先なんだけど職分の昇進試験があるから、そろそろ勉強しようかなって思ってて」
アリスが抱えていた何冊かの重い本を取り上げながら、ゴトフリーは笑った。職分の昇進試験というと、上司である人の推挙がないと受けられないものだ。若い彼は今は一騎士だから、いずれ隊の指揮を任されたり、後輩の指導などを行うことを期待されているのだろう。