素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 彼は竜騎士だ。それこそ女性からはその職業だけで熱い視線を向けられるだろうし、それにはっきりと言うならばゴトフリーの顔は可愛い。目鼻立ちは整っているしその蜂蜜色の髪の毛もふわふわとしていて戦闘職に就いているはずなのに全体的に柔らかくて優しそうだ。厳しい鍛錬に耐え抜き鍛え上げられた肉体も相まってすごく魅力的な容姿をしている。

(こんな状況でもないと、彼が私を見てくれる可能性は低い。この機会を活かさなきゃ)

「嫌」

 短く答えたアリスにゴトフリーは呆気に取られた顔をした。それを可愛いなと思いながら酔った勢いでアリスはとんでもないことを言い出した。

「抱いてくれたら帰って良いよ」

「え?」

「モテモテの竜騎士なんだし、経験豊富なんでしょう。せっかくなんだから楽しませてよ」

 アリスは言葉を失ってしまったゴトフリーの胸に飛び込んだ。その抱きついた胸の厚さに胸がときめいてしまう。ずっと妄想の中、望んでいたことが叶うのならどんな手段でも使うつもりだった。

「あの、アリスさん。俺も一応男だから、あんまりそういうこと言われると……」
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