素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「ゴトフリーもそう思った? 私も絶対勉強なんか頭に入らないなって思っていたの。でもすごく楽しそうだなって思った。高等学院にこんなにカッコ良い人いなかったから、他の子からめちゃくちゃ嫉妬されそうだけど」

 高等学院はその名の通り、国の中から集められた物凄く頭の良い人しか入れない。その中には申し訳ないけど、こんなに体格が良くて綺麗な顔をした男の人はいなかった。そういう子達は竜騎士や近衛騎士になるべく、別に集められているのかもしれないけれど。

「……アリスは俺が初めての彼氏だもんね」

 ゴトフリーは何故かしみじみと言って持っている本を裏返して置くと、両腕を机についてその上に顔を置いた。その何か眩しそうな表情に微笑みながら答える。

「うん。そうだよ。ファーストキスもゴトフリーだもん」

 それを聞いてゴトフリーはちょっと眉を寄せた。

「……あの酔ってた時?」

「そうだよ。ゴトフリーで良かったなって思いながらキスしたの」
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