素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる

21 ずっと言いたかった

 午後からの半休を取って、彼氏であるゴトフリーと王都の市街を手を繋いで歩いていたアリスは、どうしても買いたかったクッキーが売っているお菓子屋さんがこの近くにあることを思い出した。

「ゴトフリー、あのね、私ちょっとだけクッキー買って来て良い?」

 行ってみたいと言ったら彼が調べてくれて予約の激戦を勝ち抜いたこの近くで評判のカフェの予約時間は迫って来ていたのだけど、そのクッキーは美味しいだけではなく、入っている缶がとにかく可愛いのだ。アリスは可愛い小物が大好きだから、せっかくのこの機会に買いたかった。ゴトフリーは上目遣いのお願いに不思議そうに首を傾げた。
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