素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「俺も一緒に行くよ。クッキー、どうしても欲しいの?」

 うん、と嬉しそうに頷いたアリスを微笑んで見やると、腕時計を確認してちょっと顔を顰めた。

「ん、でももうすぐ予約時間だな。そうだ。クッキーは俺が走って買ってくるから、先にカフェに行って入っておいて。すぐに行くね」

 店の名前と大まかな場所を確認すると、ゴトフリーは颯爽と走り出した。もちろん体を資本としている人だから、その速度は早くてあっという間に見えなくなってしまう。自分のためなのだけど、さっきまですぐそばに一緒に居た彼が居なくなって、ちょっと寂しくなった。

「……あれ?」

 曲がり角を二回ほど曲がった所で、アリスはあの場所からすぐに着くと思っていたカフェの場所を間違えてしまっていることに気がついた。
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