素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
立ち尽くした薄暗い路地裏は、とても恋人たちが集まるようなお店があるような雰囲気でもない。
慌てて振り返って元に戻ろうとしたけれど、いきなりその腕を掴まれてビクッとした。いかにも柄の悪そうな男が、アリスを見下ろして嫌な笑いを浮かべている。その後ろの扉から続々と何人かの同じような男たちが怯えを見せるアリスを取り囲んだ。
「へえ、こんなところに上玉じゃないか」
「やっ……離してっ……」
手を振り解こうとしても、全然動かない。どうしようどうしようと周囲を確認するけれど、他に人通りなんかなくて、なんでこんなところに来てしまったんだろう。
その時に、通りの向こうから綺麗な光を弾く金髪が見えた。泣きそうになっているアリスの状態を一瞬で視認したのだろう。その顔は険しい。
「その汚い手離せ」
アリスはそう言葉を放った自分を助けに来てくれたはずのゴトフリーの表情の抜け落ちた顔を見て、思わず本能的な恐ろしさを感じた。鋭く空気を切り裂くような攻撃的な視線は、彼が何度も戦場で死線を越えた人間であることを思い出させたから。
慌てて振り返って元に戻ろうとしたけれど、いきなりその腕を掴まれてビクッとした。いかにも柄の悪そうな男が、アリスを見下ろして嫌な笑いを浮かべている。その後ろの扉から続々と何人かの同じような男たちが怯えを見せるアリスを取り囲んだ。
「へえ、こんなところに上玉じゃないか」
「やっ……離してっ……」
手を振り解こうとしても、全然動かない。どうしようどうしようと周囲を確認するけれど、他に人通りなんかなくて、なんでこんなところに来てしまったんだろう。
その時に、通りの向こうから綺麗な光を弾く金髪が見えた。泣きそうになっているアリスの状態を一瞬で視認したのだろう。その顔は険しい。
「その汚い手離せ」
アリスはそう言葉を放った自分を助けに来てくれたはずのゴトフリーの表情の抜け落ちた顔を見て、思わず本能的な恐ろしさを感じた。鋭く空気を切り裂くような攻撃的な視線は、彼が何度も戦場で死線を越えた人間であることを思い出させたから。