素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「そうだね、別れてから大分経っているし、俺ももう良い歳だから話しかけられたら話すよ……あいつは、俺が竜騎士だから、付き合ったんだよ。だから先輩の竜騎士に、声をかけられたらすぐに着いていった。条件の良い方を両天秤にかけていたんだ。んで、庶民出身の俺はお払い箱だったって訳。そういうことをしていたってバレた時点で先輩にも振られていたみたいだけど、俺にはもう関係ないし。もちろん何の未練もないし、逆になんとも思ってないから今では話せるのかもしれないな」

「……あのね、気持ちはもちろんないってわかっているけど……その……」

 アリスは言いにくそうにして、じっとゴトフリーを見つめた。その優しい誠実そうな紺色の瞳に映るのは自分だけであって欲しい。でも、そんなことを言ってしまうと引かれないだろうか。彼に嫉妬されるのは自分は嬉しいけれど、そういうめんどくさい自分の気持ちを出して嫌われたくないと思ってしまう。
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