素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる

23 触りたい★

 早速いそいそと荷物を持って脱衣所に入ると、アリスはやっぱりここでも感嘆の声を上げた。

 広いお風呂場はまたピンクと赤と白のタイルが絶妙な模様に配置されていて、とにかく可愛いのだ。なんでゴトフリーがこういう宿屋の情報を知っているかとかは深く考えてはいけない。アリスの前に何人もの女の人ときっと付き合ったことがあるだろうし、奥手の自分なんかよりこう言う情報にはきっと通じているだろう。

「……前に来たことあるのかなぁ……」

 赤い花びらが浮かんでいかにも女の子の好きそうなピンク色の入浴剤が入ったお湯に浸かってから、アリスはぽつりと呟いた。今までの様子から推測してもゴトフリーは絶対に経験豊富だし、今現在は自分と付き合ってくれているのだから、過去を気にしても仕方のないことだとはわかってはいるけど、やっぱり気になってしまうのは止められない。

「ここには来たことないよ。先輩に前に教えてもらっただけ」

 脱衣所からいきなり声が聞こえて、からんと透けたガラス戸が開いてアリスはびっくりして目を見開いた。ゴトフリーがその見事な肉体美を晒して布を腰に巻いている状態で入ってきたからだ。

「え? なんで……」
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