【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズ】
一応高等学院では一般教養としてのダンスを学ぶ時間はあったのだが、アリスはお世辞にも運動神経がある方ではなかった。でも、素敵な恋人とそういう場所に行くことはずっと夢見ていたことだから、何があったとしても絶対に参加したかった。
「……アリスはかわいいね。俺はそれなりに踊れるしリードしてあげるから、ダンスは心配しなくても大丈夫だよ。そうじゃなくてね。今、俺の同期で彼女が居るのはリカルドと俺の二人なんだけど、他の連中がアリスと踊りたいって言ってるんだ。ほら俺達竜騎士だから、付き合ってない段階で下手にそういうのに誘うとすごく期待されるから、どうしてもという程の意中の人じゃないと、誘いにくいんだ。でも、俺の彼女だったら、楽しく踊るだけでも出来るから。一年に一回の行事だから、皆舞踏会に出たいのは出たいんだよ」
なんとも複雑そうな顔をしてそれをいう彼にアリスはふふっと笑った。
「ナイジェルとかエディと踊るの? 良いよ。すごく楽しそう」
「うん。レオとか……ブレンダンとかも……」