素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 ゴトフリーはやっぱり何か考えているようだったが、すぐにベッドへとギシッと音を立てて上がり、アリスを抱きしめてキスをした。

 そのキスは切実な想いを告げるような、荒々しいものだった。激しい舌の動きは初心者のアリスにはついていくので精一杯だったけれど、彼の首裏に手を回してそのひどく熱い体温を逃さないように大きな体を抱きしめた。

「今なら止められる。君が嫌だと言うならこれ以上何もしないよ……俺は朝まで抱きしめるだけで寝ることも出来るから、だから」

 口を離すなりゴトフリーは、そう訴えた。その必死な視線はどうかアリスに、嫌だとそう言ってくれと頼んでいるようだった。いかにも誠実そうな彼は行きずりの関係は、やっぱり嫌なのかもしれない。でももうはじまってしまっているこの夜を、アリスは中途半端に終わらせるつもりはなかった。

「嫌よ。早くして?」
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