素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
28 おかえり★
定時に仕事を終えて私服に着替え終えたアリスは、城門に向かう途中で見覚えのある大きな背中を見つけて走り出した。ゴトフリーは三日前から魔物退治の任務についていて、ここ数日会えていなかったから嬉しさもひとしおだった。
彼は背後から走ってくる気配に気がついたのか、振り向いてから笑顔になる。
「ゴトフリー! おかえり」
アリスは何日間か会えなかった彼の腕をぎゅっと抱きしめて、大きく息を吸ってその匂いを嗅いだ。彼が好んで使っている石鹸のスッキリとしたハーブの匂いがする。彼と親しくなる前は会えなくても当たり前に過ごしていたはずのに、付き合ってからは何日も会えないのは辛かった。一緒に日々を過ごしているとその存在が当たり前になる事が嬉しくて、どこか怖かった。
その筋肉質で太い腕に嬉しそうに頬擦りするアリスを見て、ゴトフリーはこくんと喉を鳴らす。その音に彼の顔を見上げるとその紺色の目がじっと自分を見つめていた。視線の意味がわからなくて首を傾げると、ゆっくりと大きな手がアリスの手を取る。
「……ごめん。ちょっと着いてきて」
戸惑いながらもうん、と頷いて彼に手を握られて続いて歩き出す。連れてこられたのは、仕事の打ち合わせなどに使用する城内にいくつもある小部屋だ。夕暮れが近いので扉を完全に閉めてしまうと中は薄暗い。魔法具の灯りをつけようとしたアリスの手を止めると、ゴトフリーはぎゅっと抱きしめた。
彼は背後から走ってくる気配に気がついたのか、振り向いてから笑顔になる。
「ゴトフリー! おかえり」
アリスは何日間か会えなかった彼の腕をぎゅっと抱きしめて、大きく息を吸ってその匂いを嗅いだ。彼が好んで使っている石鹸のスッキリとしたハーブの匂いがする。彼と親しくなる前は会えなくても当たり前に過ごしていたはずのに、付き合ってからは何日も会えないのは辛かった。一緒に日々を過ごしているとその存在が当たり前になる事が嬉しくて、どこか怖かった。
その筋肉質で太い腕に嬉しそうに頬擦りするアリスを見て、ゴトフリーはこくんと喉を鳴らす。その音に彼の顔を見上げるとその紺色の目がじっと自分を見つめていた。視線の意味がわからなくて首を傾げると、ゆっくりと大きな手がアリスの手を取る。
「……ごめん。ちょっと着いてきて」
戸惑いながらもうん、と頷いて彼に手を握られて続いて歩き出す。連れてこられたのは、仕事の打ち合わせなどに使用する城内にいくつもある小部屋だ。夕暮れが近いので扉を完全に閉めてしまうと中は薄暗い。魔法具の灯りをつけようとしたアリスの手を止めると、ゴトフリーはぎゅっと抱きしめた。