素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
30 髪、額、手の甲
王の長い挨拶が終わるのを待ちかねたように、楽団の奏でる音楽は大広間に華やかに鳴り響いた。参加者達は動きだし、色とりどりの美しいドレスの色がめいめいの方向へと散っていく。
そして、最初にアリスの手を取ったのは黒髪のナイジェルだった。ダンスホールの真ん中辺りまで辿り着くと、にっこり笑ってアリスの腰に手を当てた。
「さ、踊ろう。きっと今夜は楽しいよ」
くるりと回ってにっこり笑い合うと、ナイジェルは言った。
「アリスちゃん、ゴトフリーに竜騎士やめてって言ったんだって?」
その言葉を確かに言った記憶のあるアリスはうんと頷いた。大好きな人に出来れば危険な仕事をして欲しくはなかった。お金のことなら自分にだって稼ぐことが出来るし、別に贅沢な生活をしたいと思っている訳じゃないから、命をかけて戦わなくても良いんじゃないかと思ったのだ。
「アリスちゃんが言わんとしていることはわかるよ。君は竜騎士であることを差し引いても構わないと思うほど、ゴトフリー自身のことが好きなんだろ? でも、これからは絶対それは言ったらダメだよ」
「え? どうして?」
そして、最初にアリスの手を取ったのは黒髪のナイジェルだった。ダンスホールの真ん中辺りまで辿り着くと、にっこり笑ってアリスの腰に手を当てた。
「さ、踊ろう。きっと今夜は楽しいよ」
くるりと回ってにっこり笑い合うと、ナイジェルは言った。
「アリスちゃん、ゴトフリーに竜騎士やめてって言ったんだって?」
その言葉を確かに言った記憶のあるアリスはうんと頷いた。大好きな人に出来れば危険な仕事をして欲しくはなかった。お金のことなら自分にだって稼ぐことが出来るし、別に贅沢な生活をしたいと思っている訳じゃないから、命をかけて戦わなくても良いんじゃないかと思ったのだ。
「アリスちゃんが言わんとしていることはわかるよ。君は竜騎士であることを差し引いても構わないと思うほど、ゴトフリー自身のことが好きなんだろ? でも、これからは絶対それは言ったらダメだよ」
「え? どうして?」