素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
◇◆◇

 次にアリスの手を取ったのは大きな体のエディだ。曲の終わりにはもう彼は近くに来ていて、その振る舞いに呆れたナイジェルをわざと押し退けるようにするその姿を見て自然と笑ってしまう。

「エディ、もう。笑わせないで。私ステップわかんなくなっちゃうから。こう見えて必死なんだよ」

「それって、俺と一緒に居たら難しいと思うよ? わかんなくなったらリフトして抱えて回ってあげるから大丈夫だよ」

 真面目な顔をして発せられた本当にしかねないその言葉に笑ってしまう。その楽しそうな笑顔を見て、エディは言った。

「ゴトフリーと上手く行ってて良かったよ。俺結構要らないこと言っちゃうからさ、もしかしたら二人の喧嘩の原因とかになっていたらどうしようって心配していたんだ」

 顔を少し顰めてそう言うから、アリスはそんな彼だからこそ聞いてみたかったことを聞いてみた。

「あのね、ゴトフリーって今まで……どんな恋愛してたのかな。もちろん詳しい内容は聞きたくないんだけど、なんだか私と付き合っていても、不安でたまらないみたいなの。だから、それがすごく不思議なんだ」
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