【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズ】
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 そして、今まで見たことも無いほど不機嫌そうな仏頂面になっている恋人が目の前に現れて、アリスは思わず吹き出してしまった。肩をふるわせる彼女の手を取ってゴトフリーは拗ねた声音で言った。

「ナイジェルとエディとレオの三人は後でぶっ飛ばすとして、なんでブレンダンの額にキスしたの?」

 その質問には答えずにアリスは完全に気分を害してしまっている様子の彼を見上げた。

「ねえ、ゴトフリー、皆は私がゴトフリーの恋人だから、こんなにすごく大事にしてくれるんだよ。それって喜ぶべきことなんじゃないかな」

 その言葉は彼の予想外だったらしく、不思議そうに首を傾げた。そうしている彼を本当に愛しく思っている彼等の気持ちを伝えたくて、アリスは言葉を続けた。

「あのね、ゴトフリーにとっての皆はね、私にとってのリリアなんだなって思ったらすごく大事だなって思ったの。リリアは私にとっては自分の中の欠けたものを埋めてくれる存在なんだ……こんなことは改めて聞いた事ないけど、もしかしたらリリアにとってもそうなのかもしれない。二人でいるとすごく楽しいし、人間って自分と違うからこそ、言葉を交わしてたくさんのことを知って、人生が豊かになるんだよ」
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