素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 さっきまでの不機嫌を忘れて嬉しそうに結婚式の計画を話し出したゴトフリーに笑って頷きながらアリスは思った。深い傷を負った心は今も確かに彼の中にあるけれど、こうやっていずれ訪れる近い将来のことを話したり、たくさんの時間をかけてその傷を忘れさせるくらい愛してあげたいと思う。望む終点には近道はなく、長い時間がかかるだろう。辿り着くまでの道のりは険しいかもしれないけれど、自分たちを大事に思ってくれる周囲の協力を得られるのならきっと出来そうな気がするのだ。

 二人の問題だから、二人で解決するのが当たり前だと思っていたけれど、誰かに相談してはいけないなんて、誰が決めたのだろう。自分にはリリアが居るように彼はたくさんの良い友人に恵まれていた。何か問題があるならば彼らと協力してひとつひとつ解決していけば良い。何も問題は解決はしていないかもしれないけれど、歩むべき道に光が当たったような、そんな気がした。
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