素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 ゴトフリーは不思議そうに言った。さっき二人で朝から作ったお弁当を食べたばかりだし、アリスはこの場所が気に入っているから、ゆっくりと話でもしたいと考えていたのかもしれない。

「そういう訳じゃないの。今どうしてるかなって思っただけ。私アレックみたいにお昼寝が好きな竜ばかりだと思ったらそうじゃないんだね。この前エディのスティーヴの話聞いたらびっくりしちゃった。人化して筋トレするのが好きなんだよね? 竜になった時もその筋肉ってついたままなのかな?」

 竜が人になった時の魔法の構造論理を考えてしまうと、あんまり意味なさそうなんだけど、と真面目な顔をして考えはじめた恋人の顔にゴトフリーは吹き出した。

「そうだね……考えたこともないけど、スティーヴはかなり活発な方だし若い竜だから、色々挑戦してみたいんだと思うよ。俺のアレックは前にも言ったことあると思うけど、若い竜としてはかなり穏やかな方なんだ。リカルドのワーウィックなんかはお喋りだし、思いついた事や気がついた事なんかがあるとどんな状況でもすぐに報告してくるからあいつは大変そうだよ」
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