素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「お喋りな竜が居るってその時に言っていたものね、すごく可愛いな……私たちの子供もいつか出来たらきっとそんな感じなのかな」

 そう照れながら言ったアリスの顔を見ながらすぐ横に居るゴトフリーは真顔になってこくんと喉を鳴らした。

「……ゴトフリー?」

 急に黙ってしまった彼の顔を見てアリスは首を傾げた。双方とも働く社会人としていろんな調整を必要とするからすぐには出来ないものの結婚の話も出ているくらいだし、子供の話を出るのもおかしくないと思って言ってしまったけど、ダメだったのかもしれない。

 ゴトフリーはいきなりアリスの体を抱きしめると、耳元で囁いた。

「ねぇ、アリス。しよ?」

 そのいきなりの誘いの言葉に驚いた。以前は漠然とした不安を埋めるように突然求めてくることも多かったけれど、最近はだいぶ落ち着いていたからそんなことを言うなんて思いもしなかった。

「で、でも、外だよ?」

 戸惑いを隠せずに言ったアリスに視線を合わせてゴトフリーは言った。

「近くにアレックが居るから魔物は万が一にも近寄らないし、こんなところで誰も見てないから。それに服は全部脱がさないし大丈夫だよ」
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