素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 あの経費担当の子はあんなに可愛らしい容姿をしているのにと言っては失礼かもしれないが、文官としてこの城で働いているということは絶対に高等学院の出だ。

 国中の頭の良い人間を集めて育成する機関だが、自分の出た竜騎士を育成する特殊な騎士学校の次に入るのが難しいと言われている。それも文官になっているということは上位の成績を収めていて教師からの推挙も得ているということだ。

 自分が今まで付き合った女の子達とは、決定的に何かが違った。

 なんとか話かけてみたいとは思うけれど、食事に誘ったりして難攻不落の砦のような彼女にすげなく断られるのはかなりダメージを食らうだろうなという予想もついていた。

 だから、ずっと何か話しかけるチャンスが出来るのを待っていた。

「ゴトフリー、なんだよ。変な顔して」

 ナイジェルはゴトフリーが自分の席で頬杖をついて考え事をしているのを見て、話しかけてきた。

 同期の竜騎士との間の絆はなんと例えて言って良いかわからない。
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