素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
◇◆◇
その夜は珍しく勤番の交替の時期で休みの合った同期の五人で飲みに行くことになった。
もう一人居る同期のリカルドは最近出来た恋人に夢中で、誘っても来なかった。それを羨ましく思いながらも、どうにも納得がいかない。リカルドはなんでも上手くやる。この自分と何が違うんだろうか。
食通のエディがおすすめしてくれた美味しい店で食事を済ませて、そろそろ飲み屋へ行こうとなった時に、ブレンダンがたまには立ち飲みも楽しそうだと言い出してその辺にあった飲み屋へと入った。
「……おい、あの子お前が気になってた経費担当の子じゃない?」
店に入って間もなく小声で聞いてきたナイジェルに本当だ、とゴトフリーは目を見開いた。
髪を解いているし、トレードマークの大きな眼鏡もないが、あの屈託ない笑顔は彼女で間違いない。初めて見た素顔はとんでもなく可愛かった。背中に流れるさらさらの黒い髪の毛が揺れる度になんだかドキドキしてしまう。
人生で初めての恋をした少年のように駆け足になる鼓動で胸が痛かった。
急に黙り込んだゴトフリーを呆れた表情で見てナイジェルは言った。
その夜は珍しく勤番の交替の時期で休みの合った同期の五人で飲みに行くことになった。
もう一人居る同期のリカルドは最近出来た恋人に夢中で、誘っても来なかった。それを羨ましく思いながらも、どうにも納得がいかない。リカルドはなんでも上手くやる。この自分と何が違うんだろうか。
食通のエディがおすすめしてくれた美味しい店で食事を済ませて、そろそろ飲み屋へ行こうとなった時に、ブレンダンがたまには立ち飲みも楽しそうだと言い出してその辺にあった飲み屋へと入った。
「……おい、あの子お前が気になってた経費担当の子じゃない?」
店に入って間もなく小声で聞いてきたナイジェルに本当だ、とゴトフリーは目を見開いた。
髪を解いているし、トレードマークの大きな眼鏡もないが、あの屈託ない笑顔は彼女で間違いない。初めて見た素顔はとんでもなく可愛かった。背中に流れるさらさらの黒い髪の毛が揺れる度になんだかドキドキしてしまう。
人生で初めての恋をした少年のように駆け足になる鼓動で胸が痛かった。
急に黙り込んだゴトフリーを呆れた表情で見てナイジェルは言った。