【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズ】
「ちょ、ちょっと待って。アリス。俺の話を最後まで……」
「やっ、もうっ……出てっててば」
アリスは素っ裸のまま立ち上がるとその姿を見て思わず顔を赤くして立ち上がったゴトフリーの背中を押して玄関の扉まで押し出した。
「一回したからって、自分の女だなんて思わないでっ」
どこかで聞いたような捨て台詞を吐いてガチャンと音を立てて扉を閉めてから、はあはあとアリスは荒い息をついた。
ぼたぼたと大粒の涙が床に落ちてこんな自分が嫌になった。しばらく何度か、戸を叩く音がしても無視していると、一枚の板を隔てた向こう側でゆっくりと動く気配がして、そして廊下を歩く足音が遠ざかっていくのを聞いた。
彼は行ってしまった。
一夜だけの関係を望んだのはアリスだ。そしてその責任を取ると言った彼の言葉を拒否したのも。
憧れていた彼と一夜を過ごして自分はもう好きで、好きになってしまったからこそ、ゴトフリーの告白は辛かった。
だって好きなのは自分だけなのだ。好きあって付き合う訳じゃない。片方だけが望むような関係など歪なだけだ。
ましてや、彼は異性をいくらでも選ぶことの出来る立場に居る。こんなアリスのことなどすぐに忘れてしまうだろう。
「ふっ……ふうっ……やだやだ。ゴトフリー、行かないで……行かないで。ずっと傍に居て……」
彼にはもう聞こえないとわかっているからこそ、出てきてしまった言葉にアリスはまた泣いてしまった。
「やっ、もうっ……出てっててば」
アリスは素っ裸のまま立ち上がるとその姿を見て思わず顔を赤くして立ち上がったゴトフリーの背中を押して玄関の扉まで押し出した。
「一回したからって、自分の女だなんて思わないでっ」
どこかで聞いたような捨て台詞を吐いてガチャンと音を立てて扉を閉めてから、はあはあとアリスは荒い息をついた。
ぼたぼたと大粒の涙が床に落ちてこんな自分が嫌になった。しばらく何度か、戸を叩く音がしても無視していると、一枚の板を隔てた向こう側でゆっくりと動く気配がして、そして廊下を歩く足音が遠ざかっていくのを聞いた。
彼は行ってしまった。
一夜だけの関係を望んだのはアリスだ。そしてその責任を取ると言った彼の言葉を拒否したのも。
憧れていた彼と一夜を過ごして自分はもう好きで、好きになってしまったからこそ、ゴトフリーの告白は辛かった。
だって好きなのは自分だけなのだ。好きあって付き合う訳じゃない。片方だけが望むような関係など歪なだけだ。
ましてや、彼は異性をいくらでも選ぶことの出来る立場に居る。こんなアリスのことなどすぐに忘れてしまうだろう。
「ふっ……ふうっ……やだやだ。ゴトフリー、行かないで……行かないで。ずっと傍に居て……」
彼にはもう聞こえないとわかっているからこそ、出てきてしまった言葉にアリスはまた泣いてしまった。