素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
◇◆◇
「もう、飲みすぎだよ、アリス」
この飲み屋は立って飲む形式だ。ゆっくり腰を落ちつけて話す場所ではなく、そのため客の年齢層もかなり若い。度数の高い蒸留酒を一気飲みをしたアリスの隣に居るリリアがほぼ空になってしまっている酒瓶を取り上げる。それを持ち上げて、自分の知らぬ間にアリスが飲んだ量を察したのか可愛い顔をしかめた。
同じく城で務める女官の一人であるリリアはおっとりしているがしっかり者だ。そして、ちゃっかり者であるとも言う。長く付き合った彼氏の近衛騎士のダニエルと婚約中だし、一年後には挙式する予定だ。近衛騎士というと限られた人数しかいない竜騎士は別格としても、この国ではかなりの出世コースだし、エリートコースまっしぐらだ。
同じ女性のはずなのにかなり上手いことやっている親友の隣で、アリスは生きてきた年数が彼氏いない歴になってしまっている自分を呪いたくなった。
「もうちょっと飲ませて……」
酒瓶を取り返してグラスに傾けた。これもかなり強い酒なんだけど、まだまだすべて忘れられるくらい前後不覚になるまでにはもっと飲まなければならない。
「もう、飲みすぎだよ、アリス」
この飲み屋は立って飲む形式だ。ゆっくり腰を落ちつけて話す場所ではなく、そのため客の年齢層もかなり若い。度数の高い蒸留酒を一気飲みをしたアリスの隣に居るリリアがほぼ空になってしまっている酒瓶を取り上げる。それを持ち上げて、自分の知らぬ間にアリスが飲んだ量を察したのか可愛い顔をしかめた。
同じく城で務める女官の一人であるリリアはおっとりしているがしっかり者だ。そして、ちゃっかり者であるとも言う。長く付き合った彼氏の近衛騎士のダニエルと婚約中だし、一年後には挙式する予定だ。近衛騎士というと限られた人数しかいない竜騎士は別格としても、この国ではかなりの出世コースだし、エリートコースまっしぐらだ。
同じ女性のはずなのにかなり上手いことやっている親友の隣で、アリスは生きてきた年数が彼氏いない歴になってしまっている自分を呪いたくなった。
「もうちょっと飲ませて……」
酒瓶を取り返してグラスに傾けた。これもかなり強い酒なんだけど、まだまだすべて忘れられるくらい前後不覚になるまでにはもっと飲まなければならない。