素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「あのね、人の気持ちって変わるのよ。今日付き合ってって言ってくれてる彼だって、明日はまたその気持ちが変わっているかもしれない。もしそうなったら……後悔するのはアリスだよ」

「……わかってるよ」

 じわっと涙を浮かべたアリスを見て、ちいさくため息をつくとリリアはその頭をゆっくり撫でてくれた。

 リリアの言っていることはいわゆる大人として生きていく上でのお手本だ。その通りに行動出来ない自分は人間として欠陥品なのだろうか。頑是無い子供がそのまま体だけ成長してしまったようだ。

 ゴトフリーに自分の思っていることを全部言えたら良いのに。そうしたら、彼はどう思うだろうか。それを本当は知りたくて、知るのが怖くて、相反する気持ちが苦しい。
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