素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「それに、同僚の竜騎士さんにそんなこと言うなんて、竜騎士なんてよりどりみどりなのに」
しがない文官の元に交際を迫って足しげく通って来る竜騎士の姿はやはり珍しいのか、一日で城中の噂になっていた。その噂を悪気なく撒き散らしていたのが他でもない自分の直属の上司だと思うと、怒りが湧いて来るけど。
「まあ、君が思っている程、そんなこともないけど。一応あいつなりに考えて竜騎士という職業のライバルになれるのは竜騎士だけだと思って、牽制したかったんじゃないかな」
アリスに渡した自分の書類を覗き込むように下を向いていたレオは、眼鏡を押し上げながら近づくとアリスにちいさな声で耳打ちした。
「ゴトフリーは嫉妬深いところがあるから、もし妬かせてみたかったら僕が去った後背中を見て。きっと面白いよ」
「え?」
その言葉に呆気を取られた顔をするアリスに、レオは喉の奥で笑った。
「ふ、あいつ、僕が書類持って君のところに行くって聞いて、追いかけてきたみたいだな」
目配せをした方向には、確かに金髪のゴトフリーがいる。その顔が不満げな表情を浮かべているのを見てアリスはどきんと胸が高鳴るのを感じた。
しがない文官の元に交際を迫って足しげく通って来る竜騎士の姿はやはり珍しいのか、一日で城中の噂になっていた。その噂を悪気なく撒き散らしていたのが他でもない自分の直属の上司だと思うと、怒りが湧いて来るけど。
「まあ、君が思っている程、そんなこともないけど。一応あいつなりに考えて竜騎士という職業のライバルになれるのは竜騎士だけだと思って、牽制したかったんじゃないかな」
アリスに渡した自分の書類を覗き込むように下を向いていたレオは、眼鏡を押し上げながら近づくとアリスにちいさな声で耳打ちした。
「ゴトフリーは嫉妬深いところがあるから、もし妬かせてみたかったら僕が去った後背中を見て。きっと面白いよ」
「え?」
その言葉に呆気を取られた顔をするアリスに、レオは喉の奥で笑った。
「ふ、あいつ、僕が書類持って君のところに行くって聞いて、追いかけてきたみたいだな」
目配せをした方向には、確かに金髪のゴトフリーがいる。その顔が不満げな表情を浮かべているのを見てアリスはどきんと胸が高鳴るのを感じた。