素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 他の竜騎士を牽制する程自分のことを想ってくれているらしい彼が、日に何度も自分のことを訪ねて来てくれるのは嬉しい癖に素直じゃないことを言ってしまって、書類の整理をしながら、アリスは落ち込んだ。

 彼の横で目覚めたあの朝に自分がやってしまった醜態を思い出すとどうしても、今からでも私と付き合ってくださいって言えない。大好きになってしまったゴトフリーを前にすると自然にくまれ口ばかりが出て来るのだ。

(素直になるタイミングって……難しい)

 やっぱり最初の時みたいに酒に頼るしかないのか。でも酒が抜けた時は本末転倒なんじゃないかとぐるぐるする思考で頭を悩ませた。
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