素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
黒い竜騎士服を身に纏い、にこっと大きな体に似合わない可愛い笑顔を見せてくれるその人の書類の中にある名前を見た時、この人こそが、あの美しい文字を書くゴトフリー・マーシュだとそう思って、まるで自分だけの特別な宝物を見つけたような気がしてアリスは嬉しくなった。
「確かに受け取りました。お疲れ様です」
日付の受領印を押しながらいつものお決まりの言葉を言っているはずなのに、その人にだけ、特別な笑顔になっているのを知っているのは、きっとアリス本人だけだ。
こんな勉強をするしか能がない自分には手の届かない、憧れの人だと、ずっとずっとそう思っていたのだ。
「確かに受け取りました。お疲れ様です」
日付の受領印を押しながらいつものお決まりの言葉を言っているはずなのに、その人にだけ、特別な笑顔になっているのを知っているのは、きっとアリス本人だけだ。
こんな勉強をするしか能がない自分には手の届かない、憧れの人だと、ずっとずっとそう思っていたのだ。