素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「しっ……知らないよ。それに私は経費の担当なの。知ってるでしょ」

「ふーん、気にならないの?」

「え? 何が?」

 目を瞬いたアリスをゴトフリーは大きな敷布の上に座りながら見上げた。

「俺、一応竜騎士だし結構貰ってるから、女の子ってそういうことって気になるのかなって。今までそう思っていたけど」

 確かに竜騎士のゴトフリーが高額な俸給を貰っていることは理屈では分かっているけれど、アリスはその額を知りたいとは思わなかった。彼は働いていて毎月貰っているお金がある。だからなんだというのだろう。

「えっと、私はあんまり気にはならないかな」

 その言葉にどう答えれば良いかわからなくて、アリスは困った顔をしながら靴を脱いで敷布に上がった。これもかなり高そうな質感の生地だし、食べる時に汚さないように気をつけなければならない。

「……そっか。じゃ、用意出来たし食べようか。評判も良いし、きっと美味しいと思うよ」

 おずおずと自分の隣に座ったアリスにゴトフリーは微笑んだ。

「アリス、俺と付き合ってよ」

(きた)
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