素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「あのね、悪い方向に考えていると、だんだんとそうなるわよ、逆に良いように考えてみたら? アリスの世界を作っているのはアリス自身だもの」

「でも……でも」

 明らかに悪い方向に考えすぎて言葉を失ってしまったアリスが落ち着くまで待ってから、リリアは言った。

「アリス、私ね。人間、結局納まるべきところに納まると思うの」

 急に話を変えたリリアにアリスは何が言いたいかわからなくて首を傾げた。

「めんどくさい女のアリスと、めんどくさい人をお世話するのが嫌いじゃない私がこうやって友達になっているのは偶然じゃないってこと。どうせ結局いずれはそういうめんどくさいアリスでも良いって言ってくれているゴトフリーさんと付き合うんだから、意地張らないでさっさとくっつきなさいよ」

 もちろん自分でもわかってはいたけどめんどくさいってやっぱり思われたことを知って、アリスは口を尖らせた。

「……絶対から回ってる私の事面白がってるでしょ」

 ふふっとリリアは優しく笑う。
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