素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「そうじゃないとは言えない。だってどういう思考回路だったら、アリスが言うとんでもな結論にたどり着くのか、本当に謎だもの。自分と考え方が全然違う人って本当に面白いわよね」

 肩を竦めたリリアは時計を見て立ち上がった。

「そろそろ仕事に戻らなきゃ。また続きは仕事終わりにご飯食べながら聞いてあげるから、定時に迎えに行くわ。アリスも室長が甘いって言っても限界あるんだから、ちゃんと仕事しなさいよ」

 てきぱきと指示をしたリリアに頷いて彼女の後に続いて立ち上がって歩き出すと、アリスはさっきからちょっと気になっていたことを聞いた。

「ねぇ、ダニエルってめんどくさいの?」

「アリスが可愛く思えるくらい、ものすごくめんどくさいわよ。まぁそこが良いんだけどね」

 優しく笑いながら肩をすくめたリリアを見て、いつかあのゴトフリーもめんどくさい自分のことをこんな風に言ってくれる日が来るように、なるべく良いように考える努力をしようと心に決めた。

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