素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
(室長になんて言って早退したんだっけ。ううん、もう良いや、そんなことは)
アリスがその治療院へと辿り着き、受付で彼の名前を伝え病室の番号を尋ねると、身分証明のため、身内に届くはずの危急の連絡状の提出を求められた。
「あの、届いてないんですかね……失礼ですが、マーシュさんとどういったご関係ですか?」
受付に居る女性にそう訝しげに尋ねられて、荒い息をつきながらも、何も言う事が出来なかった。どんな関係。友達でも、恋人でも、何でもない。なんなのだろうか。その関係に名前をつける勇気を持てなかったのはアリスだ。でも彼はずっと、それを求めてくれていたではないか。
アリスはその言葉に何も言えずに、よろよろと待合室にある椅子へと座り込むと、人目も気にせずに泣いてしまった。
しばらくしてから隣に誰かが座ったのを感じて、そっとアリスは視線を上げて驚いた。ブレンダン・ガーディナーが綺麗な白いハンカチを差し出してくれていたからだ。
「やっ……もう、放っておいて」
アリスがその治療院へと辿り着き、受付で彼の名前を伝え病室の番号を尋ねると、身分証明のため、身内に届くはずの危急の連絡状の提出を求められた。
「あの、届いてないんですかね……失礼ですが、マーシュさんとどういったご関係ですか?」
受付に居る女性にそう訝しげに尋ねられて、荒い息をつきながらも、何も言う事が出来なかった。どんな関係。友達でも、恋人でも、何でもない。なんなのだろうか。その関係に名前をつける勇気を持てなかったのはアリスだ。でも彼はずっと、それを求めてくれていたではないか。
アリスはその言葉に何も言えずに、よろよろと待合室にある椅子へと座り込むと、人目も気にせずに泣いてしまった。
しばらくしてから隣に誰かが座ったのを感じて、そっとアリスは視線を上げて驚いた。ブレンダン・ガーディナーが綺麗な白いハンカチを差し出してくれていたからだ。
「やっ……もう、放っておいて」