素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
意地を張って素直になれなくて、いつも自分のちいさなプライドを優先した。そんなめんどくさい自分を、彼はいつも何よりも大切に、扱ってくれていたのに。
そう思うと涙が止められなくて、嗚咽を漏らしながら泣いてしまった。ブレンダンはそんなアリスにもう何も言わずに、ずっと隣にいてくれた。
「おい、ブレンダン。お前、女遊びはもう止めたんじゃなかったか」
からかうような艶のある低い声がして、ブレンダンは立ち上がって姿勢を正した。
「団長、人聞き悪いこと言わないでくださいよ。そういうのじゃありません」
泣いていたアリスは、突然現れたその人の姿を見て驚きのあまり涙を止めてしまった。
ブレンダンに団長と呼ばれたその人は目が覚めるような美青年だったからだ。短い銀髪に珍しい紫の目を持ち、よく見る竜騎士の黒い騎士服より、意匠が豪華なものを身につけている。今はその役職にある彼にだけしか着れないものだ。
そのめざましい戦功や伝説のように語られる武勲で名前だけは良く聞くけれど、アリスはゴトフリーの上司にあたる人をその時、初めて見た。
「なんだ、違うのか……ブレンダン、じゃあその子は?」
そう思うと涙が止められなくて、嗚咽を漏らしながら泣いてしまった。ブレンダンはそんなアリスにもう何も言わずに、ずっと隣にいてくれた。
「おい、ブレンダン。お前、女遊びはもう止めたんじゃなかったか」
からかうような艶のある低い声がして、ブレンダンは立ち上がって姿勢を正した。
「団長、人聞き悪いこと言わないでくださいよ。そういうのじゃありません」
泣いていたアリスは、突然現れたその人の姿を見て驚きのあまり涙を止めてしまった。
ブレンダンに団長と呼ばれたその人は目が覚めるような美青年だったからだ。短い銀髪に珍しい紫の目を持ち、よく見る竜騎士の黒い騎士服より、意匠が豪華なものを身につけている。今はその役職にある彼にだけしか着れないものだ。
そのめざましい戦功や伝説のように語られる武勲で名前だけは良く聞くけれど、アリスはゴトフリーの上司にあたる人をその時、初めて見た。
「なんだ、違うのか……ブレンダン、じゃあその子は?」