素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
その様子を見てから、はーと息をつき、がしがしと頭の後ろをかくと、傍で立ったまま、姿勢を崩さないブレンダンに言った。
「この俺も女の涙には弱いわ。ブレンダン、俺は誰だ?」
「はい。ヴェリエフェンディ竜騎士団の団長キース・スピアリット閣下です」
「そうだ、そして竜騎士ゴトフリー・マーシュの上司でもある。あいつの見舞いに行くのはなんの不思議もない。その俺に可愛い連れが居ても全然構わないよな?」
「もちろんです。団長」
「という訳だ。着いておいで、ゴトフリーの、あーなんて呼べば良いんだ? あいつがどんな手でも使って、さっさと物にしとけばこんなところで女の子が泣かなくてよかったのにな。不甲斐ない部下を持つと上司の俺が苦労するわ」
ブレンダンはキースのその言葉にふっと笑うと、アリスの方を見て片目を瞑った。
「アリスさんですよ」
「そうか、もう泣かなくて良い、アリス。俺の後に着いておいで」
彼は跪いたまま手を差し出すと、その紫色の目を細めた。その優しい眼差しに何度も頷いてアリスはさっきまでとはまた違う涙を流した。
「この俺も女の涙には弱いわ。ブレンダン、俺は誰だ?」
「はい。ヴェリエフェンディ竜騎士団の団長キース・スピアリット閣下です」
「そうだ、そして竜騎士ゴトフリー・マーシュの上司でもある。あいつの見舞いに行くのはなんの不思議もない。その俺に可愛い連れが居ても全然構わないよな?」
「もちろんです。団長」
「という訳だ。着いておいで、ゴトフリーの、あーなんて呼べば良いんだ? あいつがどんな手でも使って、さっさと物にしとけばこんなところで女の子が泣かなくてよかったのにな。不甲斐ない部下を持つと上司の俺が苦労するわ」
ブレンダンはキースのその言葉にふっと笑うと、アリスの方を見て片目を瞑った。
「アリスさんですよ」
「そうか、もう泣かなくて良い、アリス。俺の後に着いておいで」
彼は跪いたまま手を差し出すと、その紫色の目を細めた。その優しい眼差しに何度も頷いてアリスはさっきまでとはまた違う涙を流した。