素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
13 涙越し
病室に入りゴトフリーが寝かされているベッドの脇にある椅子に座るとぼたぼたと大粒の涙が落ちて白いシーツに染みを作った。やっと会えたと思って堪えられなかった。
思わずその大きな手をとって頬に当てた。固い皮膚があたって、その温かさに彼が生きていると感じた。
けれど眠ってしまっている彼は当たり前のことなのだけど手を握り返してくれないし、涙を拭ってもくれない。
いつものように、紺色の瞳でアリスのことを見て優しく微笑んでくれないのだ。
その手のひらにキスをして、彼の筋肉質な腕を胸に抱きしめる。やっと彼の存在を感じることが出来て、アリスはまた涙を止めることが出来なかった。
「アリスさん……」
ブレンダンは、そんな様子を見て躊躇いがちに話しかけようとしたが、黙ったままでアリスの頭を一度だけ撫でたキースに目で合図される。アリスと寝ているゴトフリーだけを残して、二人は静かに部屋を出ていってしまった。
思わずその大きな手をとって頬に当てた。固い皮膚があたって、その温かさに彼が生きていると感じた。
けれど眠ってしまっている彼は当たり前のことなのだけど手を握り返してくれないし、涙を拭ってもくれない。
いつものように、紺色の瞳でアリスのことを見て優しく微笑んでくれないのだ。
その手のひらにキスをして、彼の筋肉質な腕を胸に抱きしめる。やっと彼の存在を感じることが出来て、アリスはまた涙を止めることが出来なかった。
「アリスさん……」
ブレンダンは、そんな様子を見て躊躇いがちに話しかけようとしたが、黙ったままでアリスの頭を一度だけ撫でたキースに目で合図される。アリスと寝ているゴトフリーだけを残して、二人は静かに部屋を出ていってしまった。