殺すように、愛して。
「俺含めほぼ全員、思考が何一つ読めない黛にビビってるからさ、目をつけられてる鳴海のことを心配することはできても、それだけで、誰も何もしてやれない。他人事みたいに、気をつけて、としか言えない。ごめんな……」
何もしてやれないと申し訳なさそうに眉を下げる彼の言葉の数々は、同情からくる台詞なのかもしれないし、罪滅ぼしのために何とかしようとしていることをアピールするための道具かもしれない、と思うのは考えすぎで、きっとそれらは彼の本心だ。そう思いたい。そう信じたい。向き合おうとしてくれている彼に猜疑の目は向けたくない。一緒にいる二人のこともそうだ。疑いたくはない。
「……大丈夫。黛の言動、教えてくれて、ありがとう。心配してくれるのも、その気持ちだけで十分だよ。これから俺は発情期と付き合っていかなきゃいけないけど、みんなには迷惑かけないように気をつけるから。俺がちゃんとしていれば、黛だって俺に手を加えることも、勘違いして関係ない人たちに手を出すことも、きっと、ないだろうし、つけられたこの首輪だって、自衛しないといけないなって思ってたところだったから、うん、ちょうどよかったんだよ。ちょうどよかった。黛、意味分からないけど、そこは感謝しないといけないよね。俺は大丈夫だよ。大丈夫だから。大丈夫。俺が自分でどうにかしないといけない問題に、三人を巻き込んでごめん。休んでる間、余計な心労もかけてごめん。俺がしっかりしていれば、こんな気まずくなることも歪むこともなかったよね。ごめん。みんなは悪くないよ。そんな暗い顔しないで。申し訳なさそうな顔しないで。悪くない。悪くないよ。俺がオメガじゃなければ良かった話。オメガだから、狂っただけ。俺がオメガだから。狂った、だけ。それだけだよ。悪いのは俺」
何もしてやれないと申し訳なさそうに眉を下げる彼の言葉の数々は、同情からくる台詞なのかもしれないし、罪滅ぼしのために何とかしようとしていることをアピールするための道具かもしれない、と思うのは考えすぎで、きっとそれらは彼の本心だ。そう思いたい。そう信じたい。向き合おうとしてくれている彼に猜疑の目は向けたくない。一緒にいる二人のこともそうだ。疑いたくはない。
「……大丈夫。黛の言動、教えてくれて、ありがとう。心配してくれるのも、その気持ちだけで十分だよ。これから俺は発情期と付き合っていかなきゃいけないけど、みんなには迷惑かけないように気をつけるから。俺がちゃんとしていれば、黛だって俺に手を加えることも、勘違いして関係ない人たちに手を出すことも、きっと、ないだろうし、つけられたこの首輪だって、自衛しないといけないなって思ってたところだったから、うん、ちょうどよかったんだよ。ちょうどよかった。黛、意味分からないけど、そこは感謝しないといけないよね。俺は大丈夫だよ。大丈夫だから。大丈夫。俺が自分でどうにかしないといけない問題に、三人を巻き込んでごめん。休んでる間、余計な心労もかけてごめん。俺がしっかりしていれば、こんな気まずくなることも歪むこともなかったよね。ごめん。みんなは悪くないよ。そんな暗い顔しないで。申し訳なさそうな顔しないで。悪くない。悪くないよ。俺がオメガじゃなければ良かった話。オメガだから、狂っただけ。俺がオメガだから。狂った、だけ。それだけだよ。悪いのは俺」