殺すように、愛して。
「瀬那、可愛いね。一人でアルファを、会う約束もしてないアルファを、待ってたんだね」

「まゆ、ずみ……。まゆずみ……。ちがう、ちがう……。おれ、まゆずみ、を、まゆずみを、まってた……」

「そっか、うん、そうだよね。瀬那は俺のオメガだから、俺を待ち焦がれすぎて求めすぎて、それで馬鹿になって狂って。だから、性に貪欲な変態になってるんだね。でも、大丈夫だよ。瀬那は元々変態だから。これが瀬那のあるべき姿で、何もおかしいところなんてないよ。自分の欲に塗れてぐちゃぐちゃな瀬那も、可愛いね」

 俺のいないところで一人で触って一人で気持ちよくなって、楽しかったね、瀬那。気持ちいいことたくさんできるし、発情してよかったね、瀬那。楽しくないのに楽しかったね、よくないのによかったね、と俺をマインドコントロールする黛に言われてしまったら、楽しかったんだと、発情してよかったんだと、そのまま彼の言葉を受け取り、受け入れてしまう。楽しかった。よかった。気持ちいいことたくさんできた。気持ちいいことたくさんできる。まゆずみ。まゆずみ。もっと、もっと、強烈な快楽に溺れたい。触って。めちゃくちゃに、して。まゆずみ。まゆずみ。ぽっかりと空いた穴を、埋めて。まゆずみ。まゆずみ。まゆずみ。
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