殺すように、愛して。
俺は、罪だ。オメガは、罪だ。死んで終わらせられるのなら、そうした方がいい。俺のせいで人が死ぬのも、俺のせいで人が犯罪に手を染めるのも、やっぱり、どう考えたって、堪えられない。俺は、生きているだけで、罪だ。もうどうでもいい。もうどうなったっていい。もうどうにでもなれ。俺は死ぬ。死にたい。死のう。死ぬのだ。死んでしまえ。死ね。項を切って、死ね。感覚をなくして、死ね。全部ぐちゃぐちゃにして、死ね。
自暴自棄。自信喪失。現実逃避。半濁音を響かせ続けていたスマホを机の上に無造作に置き、呼吸をしていることすら気持ち悪くなるほど暗鬱とした時などによく使用するカッターナイフを、カッターナイフだけを、シャーペンやポールペン、その他の筆記用具が刺さっているペン立てから抜き取った。カチカチと刃を出すと、これまで何度も皮膚を切るのを任せた鋭利な先端と目が合う。死はすぐそこまで迫っていた。俺を取り囲んで、待っている。その時が来るのを、待っている。
挨拶をするように、感覚を研ぎ澄まして確認をするように、刃先を指先で触って見せる。血が出ない程度に皮膚に食い込ませ、それから、やおら項に刃を充てがった。噛まれた箇所が熱く反応する。体は感情的になっているようでも、頭はどこか冷えていた。冷静じゃないわけじゃない。冷静だからこそ、俺は項を切ろうとしているのだ。ついているかもしれない歯型を、噛まれた跡を、感覚を、消すために。
自暴自棄。自信喪失。現実逃避。半濁音を響かせ続けていたスマホを机の上に無造作に置き、呼吸をしていることすら気持ち悪くなるほど暗鬱とした時などによく使用するカッターナイフを、カッターナイフだけを、シャーペンやポールペン、その他の筆記用具が刺さっているペン立てから抜き取った。カチカチと刃を出すと、これまで何度も皮膚を切るのを任せた鋭利な先端と目が合う。死はすぐそこまで迫っていた。俺を取り囲んで、待っている。その時が来るのを、待っている。
挨拶をするように、感覚を研ぎ澄まして確認をするように、刃先を指先で触って見せる。血が出ない程度に皮膚に食い込ませ、それから、やおら項に刃を充てがった。噛まれた箇所が熱く反応する。体は感情的になっているようでも、頭はどこか冷えていた。冷静じゃないわけじゃない。冷静だからこそ、俺は項を切ろうとしているのだ。ついているかもしれない歯型を、噛まれた跡を、感覚を、消すために。