殺すように、愛して。
噛み合わなかった会話が、巡り巡って重なる。ぶつかる。声を聞いて、声を出して、言葉を交わして、そうすればするほど、毒の回りが速くなっているかのよう。期待も膨らみ、興奮も膨らみ、妄想も膨らみ、馬鹿になって、淫乱になって、変態になっていく様を、俺は消えかけている理性で感じていた。自分が自分じゃないようだった。でもこれが自分だった。本来の自分の姿だった。黛に暴かれたことだった。黛に呼び覚まされたことだった。
スマホを耳に当てたまま、声と妄想で昂る俺は、敏感な箇所に触ろうとしてしまう手を握り締めた。小さくなるように膝を抱え、黛の指示に反する行為はしないよう意識する。まゆずみ、まゆずみ、がまん、がまん、と幼い子供のように繰り返し言い聞かせ、黛を待ち望む。周りや自分にどんな悪影響を与えようとも、黛が俺の前に現れてくれさえすれば、黛が俺に触ってくれさえすれば、もうそれだけで、俺の見る景色は、艶やかさすら感じるピンク色に染まるのだ。他の誰でもない、黛がいればそれでいい。
必死に我慢しながら、卑猥な単語を言わされたことに、黛の言うとおり高揚する。もっとストレートで、露骨な言葉を口走りそうになっていたが、まだ僅かに残っていた理性が働いてくれたおかげで、そうならずに済んだのだった。俺に言葉を選ばせてくれた黛は、俺の選んだ言葉に対して、卑猥だね、と言って返した。どんな言葉を選択しても卑猥の三文字で終わらせたのかもしれないが、酷く、酷く、どうしようもなく、胸が高鳴った。俺は、卑猥。卑猥なオメガ。黛の求めるオメガになれていたら、嬉しい。
スマホを耳に当てたまま、声と妄想で昂る俺は、敏感な箇所に触ろうとしてしまう手を握り締めた。小さくなるように膝を抱え、黛の指示に反する行為はしないよう意識する。まゆずみ、まゆずみ、がまん、がまん、と幼い子供のように繰り返し言い聞かせ、黛を待ち望む。周りや自分にどんな悪影響を与えようとも、黛が俺の前に現れてくれさえすれば、黛が俺に触ってくれさえすれば、もうそれだけで、俺の見る景色は、艶やかさすら感じるピンク色に染まるのだ。他の誰でもない、黛がいればそれでいい。
必死に我慢しながら、卑猥な単語を言わされたことに、黛の言うとおり高揚する。もっとストレートで、露骨な言葉を口走りそうになっていたが、まだ僅かに残っていた理性が働いてくれたおかげで、そうならずに済んだのだった。俺に言葉を選ばせてくれた黛は、俺の選んだ言葉に対して、卑猥だね、と言って返した。どんな言葉を選択しても卑猥の三文字で終わらせたのかもしれないが、酷く、酷く、どうしようもなく、胸が高鳴った。俺は、卑猥。卑猥なオメガ。黛の求めるオメガになれていたら、嬉しい。