たった一瞬の恋を

3日目

*3日目*



今日も、ういは好きを教えてくれるらしい。



楽しみだな、



あ、
未来に対してこんな感情を持つのは初めてかも。



「りこ、おはよう。」


「あ、おはよう。」



少し敬語を外すのも慣れたかもしれない。

よかった。



「今日は何するの?」


好き同士は他にどんなことしているのだろう??



「ハグ。

好き同士はこれも良くするらしいよ。」



あ、これはちょっと知ってる。


なんか、ぎゅってするやつだよね。



一度だけちらっと見てしまったことがある。

あの時はかなり気まずかったな…



う、でもあれはちょっと恥ずかしい。



好きってこうゆう感覚なのかな。


分からない。




囁いてるのを聞いたことある

『大好き』って
どういう気持ちだろう??



「何、考えてるの?」


首をこてんと傾げて聞いてきた。


わ、なんか可愛いな。



「えっと、
『好き』って、『大好き』って

どういう気持ちだろうかって考えていて。」


「ふーん。

それを後3日かけて教えてあげるよ。」


「ありがとう。」


すると

背中に手を回してきてぎゅっと抱きしめた。

わっ。

なんだろう。
とってもいい匂いがする。

それに昨日みたいにあたたかい。


「これがハグだよ。」

「ひゃっ。

耳元で喋らないで。」


うぅ、ういが耳元で囁くように喋ってきた。


なんか、すごく恥ずかしい。



世の中の好き同士はこんなことを当たり前のようにやっているのか。



「なんか、好き同士ってすごいね。」


「ん?なんで?」



「だって、

こんなに恥ずかしくて緊張することを

当たり前のようにやっているのでしょ?」




「んふふ。

確かにすごいのかもね。」



にこにこと笑っていた。


わわ、顔近いな。



すごく恥ずかしい。


でもなぜか嫌ではない。

なんでだろう。


「ねぇ、好き同士のやることって意味わからない。」



「なら、好きを知れば分かるようになるんじゃないの?」


「そうかな、

じゃあ、ちゃんと教えてね。」



「最初より生意気になったね。」


「そう?」



「うん。」




きっとういは好きを教えてくれる。


なぜか、そんな確信がある。
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