愛があなたを見捨てたとしても
安いものを優先して購入するところ、節約家のわたしとそっくりだ。
「分かります。うちのハンバーガーは安いですし、美味しいですもんね」
ふふっと笑みを零しながら、
「いつも買って下さってありがとうございます」
と、バイトらしいお礼を伝えると。
「え、何で知ってんの」
急に足を止めたハンバーガー男が、怪訝な顔でこちらを見てきた。
今までわたしを誰だと思っていたのだろう。
「えっ、いつもお客さんのレジ担当してるのわたしですよ」
「は?」
「お客さん、ずっと下向いてるから気付かなかったのかもしれませんけど。いつも注文聞いてるのわたしです」
今日の会計時、一応”ありがとうございます”とお礼を伝えたつもりだったけれど、客によってはその記憶すら残らないのか。
少し残念に思いながら、
「番号札202番のお客さまー、お待たせ致しました、ハンバーガーです」
と声真似を披露すれば、じっとわたしの顔を見て黙っていたハンバーガー男の眉がピクリと反応する。
「…ほんとだ」
そして彼は、わたしを見下ろしたまま僅かに頬を緩めたんだ。
「…あの、駅に向かわれないんですか…?」
そして、それから数分歩き続けただろうか。
「分かります。うちのハンバーガーは安いですし、美味しいですもんね」
ふふっと笑みを零しながら、
「いつも買って下さってありがとうございます」
と、バイトらしいお礼を伝えると。
「え、何で知ってんの」
急に足を止めたハンバーガー男が、怪訝な顔でこちらを見てきた。
今までわたしを誰だと思っていたのだろう。
「えっ、いつもお客さんのレジ担当してるのわたしですよ」
「は?」
「お客さん、ずっと下向いてるから気付かなかったのかもしれませんけど。いつも注文聞いてるのわたしです」
今日の会計時、一応”ありがとうございます”とお礼を伝えたつもりだったけれど、客によってはその記憶すら残らないのか。
少し残念に思いながら、
「番号札202番のお客さまー、お待たせ致しました、ハンバーガーです」
と声真似を披露すれば、じっとわたしの顔を見て黙っていたハンバーガー男の眉がピクリと反応する。
「…ほんとだ」
そして彼は、わたしを見下ろしたまま僅かに頬を緩めたんだ。
「…あの、駅に向かわれないんですか…?」
そして、それから数分歩き続けただろうか。