ドラマティック トレイン ~ 運命の出会いは通学中に起きる
5.BBQ
磐田くんとBBQの約束をしてから何度か朝の電車が一緒になった。
いつも私が電車に乗り込むと、乗ったドアと反対側に立って、テスト期間だからなのか参考書を開いている。
本を支える筋張った大きな手がとても男の子っぽく感じてドキッとした。
こんな事でドキッとするのは私が男子に慣れていないだけなのだろうか?
電車のドアが開いたのに気づくとチラッと視線を上げ私を見つけると声を出さずに口だけで『おはよ』と形をつくる。
乗車中の短い時間だがテスト範囲やテストに出そうなところを二人で予想したり、問題を出し合ったり…。とても楽しくて穏やかな時を過ごした。
「奈々ちゃんの学校も今週でテスト終わり?」
少しだけ首を傾けて聞いてきた。自分がイケメンである事を忘れているのか?こんな間近で目が合うとどんな女の子でも一瞬で恋に落ちてしまうだろう。自分は勘違いしないようにとドキッとさせられる度に言い聞かせていた。
「うん。明日でおしまい。あ、BBQだけど磐田くんのお友達って何人くらい来れるの?」
姉に人数を確認するように言われていたのを思い出して質問してみる。
「うーん…。実は悩んでる。」
そうだよね…。BBQとはいえ知らない人の集まりに顔を出すのは少し抵抗があるよね…。水族館とか映画とかそっちの方が良かったのかも…。
「ごめん、誘い方が強引だったかな?今からでもBBQ断っても大丈夫だよ?」
「あぁ、奈々ちゃん、違うよ。友達を誘うかを悩んでて…。」
「えっ?知らない人ばかりで大丈夫なの?」
心配そうにしているのに気づいたのか磐田くんは安心させるように笑顔で答えた。
「奈々ちゃんがいるし平気だよ。別に誘う友達がいないとかじゃないよ?一人で参加した方が奈々ちゃんを独占できるかなぁ~って思って。」
「えっ?」
…どういう意味!?そんな言い方をされるとあれだけ勘違いしないようにと言い聞かせてもちょっぴり期待してしまう。
「奈々ちゃんはお友達さそってるの?」
他校にまでファンができるイケメンにときめくような言葉を言われ、一瞬、思考が停まっている間に会話が進んでしまい深く突っ込めなかった。
「私は学校の友達二人を誘ったよ!仲良くていつも一緒にいる二人なんだ~♪」
「その友達って女の子?」
「うん、2人とも女の子だよ。」
「そうなんだ。じゃぁ、その二人に普段の奈々ちゃんのこと沢山教えてもらわなくちゃ。」
「ふっ、普段の私なんて知っても何も面白くなんかないよっ!相変わらず学校でも本ばかり読んでるし…。」
「それでも俺は奈々ちゃんの事知りたいと思ってるよ。」
えっ!
えーーーーっ!
磐田くんの言葉に耳が熱くなるのがわかった。
途端に電車が揺れて倒れそうになったところを転ばない様に磐田くんがギュッと腰を抱きよせてくれたので予想外に密着してしまった。
ふわりと漂ってきた爽やかで甘い香りに心臓がドキドキしはじめた。
「大丈夫?」
密着したせいで磐田くんの声が耳の直ぐ傍で聞こえてさらに心臓が跳ねる。
頭がよくてイケメンで、優しくて弓道も上手で更に声もいい!!そりゃ、ファンもできますって!
「うん、磐田くんのおかげで大丈夫だった。」
「良かった。」
電車の窓から差し込む朝日のおかげで磐田くんの笑顔がさらにまぶしい。
どんなに恋愛に疎い私でも気づいてしまった。
…私、磐田くんの事好きになってる。
いつも私が電車に乗り込むと、乗ったドアと反対側に立って、テスト期間だからなのか参考書を開いている。
本を支える筋張った大きな手がとても男の子っぽく感じてドキッとした。
こんな事でドキッとするのは私が男子に慣れていないだけなのだろうか?
電車のドアが開いたのに気づくとチラッと視線を上げ私を見つけると声を出さずに口だけで『おはよ』と形をつくる。
乗車中の短い時間だがテスト範囲やテストに出そうなところを二人で予想したり、問題を出し合ったり…。とても楽しくて穏やかな時を過ごした。
「奈々ちゃんの学校も今週でテスト終わり?」
少しだけ首を傾けて聞いてきた。自分がイケメンである事を忘れているのか?こんな間近で目が合うとどんな女の子でも一瞬で恋に落ちてしまうだろう。自分は勘違いしないようにとドキッとさせられる度に言い聞かせていた。
「うん。明日でおしまい。あ、BBQだけど磐田くんのお友達って何人くらい来れるの?」
姉に人数を確認するように言われていたのを思い出して質問してみる。
「うーん…。実は悩んでる。」
そうだよね…。BBQとはいえ知らない人の集まりに顔を出すのは少し抵抗があるよね…。水族館とか映画とかそっちの方が良かったのかも…。
「ごめん、誘い方が強引だったかな?今からでもBBQ断っても大丈夫だよ?」
「あぁ、奈々ちゃん、違うよ。友達を誘うかを悩んでて…。」
「えっ?知らない人ばかりで大丈夫なの?」
心配そうにしているのに気づいたのか磐田くんは安心させるように笑顔で答えた。
「奈々ちゃんがいるし平気だよ。別に誘う友達がいないとかじゃないよ?一人で参加した方が奈々ちゃんを独占できるかなぁ~って思って。」
「えっ?」
…どういう意味!?そんな言い方をされるとあれだけ勘違いしないようにと言い聞かせてもちょっぴり期待してしまう。
「奈々ちゃんはお友達さそってるの?」
他校にまでファンができるイケメンにときめくような言葉を言われ、一瞬、思考が停まっている間に会話が進んでしまい深く突っ込めなかった。
「私は学校の友達二人を誘ったよ!仲良くていつも一緒にいる二人なんだ~♪」
「その友達って女の子?」
「うん、2人とも女の子だよ。」
「そうなんだ。じゃぁ、その二人に普段の奈々ちゃんのこと沢山教えてもらわなくちゃ。」
「ふっ、普段の私なんて知っても何も面白くなんかないよっ!相変わらず学校でも本ばかり読んでるし…。」
「それでも俺は奈々ちゃんの事知りたいと思ってるよ。」
えっ!
えーーーーっ!
磐田くんの言葉に耳が熱くなるのがわかった。
途端に電車が揺れて倒れそうになったところを転ばない様に磐田くんがギュッと腰を抱きよせてくれたので予想外に密着してしまった。
ふわりと漂ってきた爽やかで甘い香りに心臓がドキドキしはじめた。
「大丈夫?」
密着したせいで磐田くんの声が耳の直ぐ傍で聞こえてさらに心臓が跳ねる。
頭がよくてイケメンで、優しくて弓道も上手で更に声もいい!!そりゃ、ファンもできますって!
「うん、磐田くんのおかげで大丈夫だった。」
「良かった。」
電車の窓から差し込む朝日のおかげで磐田くんの笑顔がさらにまぶしい。
どんなに恋愛に疎い私でも気づいてしまった。
…私、磐田くんの事好きになってる。