ドラマティック トレイン ~ 運命の出会いは通学中に起きる
** side:耕史 **
家に帰っても何故か葵と奈々ちゃんのキスの話が頭から離れないでいた。
『あのね、キスって言っても葵くんは海外生活が長いでしょ?だから挨拶というかコミュニケーションの一つというか…。』
奈々ちゃんはそう言ってが葵はどう言う気持ちで彼女にキスをしたのだろう…。実際、葵は奈々ちゃんの事好きみたいだし…。
モヤモヤとした気持ちのまま、机に向かって参考書を広げていた。
テスト終わったばかりなのにまた勉強か…。
いい加減、自分でも勉強ばかりでうんざりする。でも、親父に認めてもらう為には仕方がないのだ。集中力に欠けてしまった頭ではなかなか頭に入らないから休憩でもしようかと思った時、『耕史ー!ご飯できたわよー』と、母親の声がした。
ダイニングテーブルには普段は仕事でいない親父もそこにはいて、珍しく家族全員が揃っていた。
あぁ…。親父がいると面倒なんだよね。
「なぁ、耕史。母さんから聞いたが成績が安定したそうだな。このままいけば結弦と同じ大学に通えそうだな。2人が父さんの会社を継いでくれれば安心だ。」
ほら…。な。またこの話だ。
「親父、何度も言ってるけど俺は親父の会社に就職するつもりはないよ。兄貴と同じ大学にも行かない。」
「また、その話か…。」
はぁー…。それはこっちのセリフだよ…。
「俺は設計士になりたいんだよ。兄貴よりレベルが上の大学なら建築学部に通って良いって約束だろ?」
「受験するのは自由だ。弓弦より上の大学なんてお前には無理な話。どうせ落ちるんだからちゃんと弓弦の大学も受けとけよ。」
「耕史ならちゃんと受かるよ。親父の会社のことは俺が何とかするからとにかく頑張れよ。」
「弓弦、何を言ってる!父さんの夢はお前たち2人に……。」
あぁ………。
この話が始まると長いんだよな。
親父の話しを聞き流しながら母さんが用意してくれた夕食に手をつけ始めた。幸いなことに兄貴は俺の味方でいてくれるようでいつも親父と俺の間に入ってくれていた。
いつまで経っても兄貴には敵わないな。という気持ちの反対側では勉強だけじゃなく人間としても良いやつかよ…。と、よりコンプレックスを抱いていた。そして、この親父の話題の着地点はいつも『弓弦は父さんか会社の事をちゃんと考えてくれる良い息子なのに、耕史は自分勝手で我儘な人間に育ってしまった…。』となるのだ。
将来の夢があるってそんなに自分勝手な事なのか!?
楽しいはずの家族団欒が最近の俺の中では苦痛でしかなかった。こんな時は何故かいつも奈々ちゃんの笑顔が浮かんできて俺の心を沈めて癒してくれるのだった。
『ブブブッ…』
スマホにメッセージを受信したと震える。
「耕史、食事中はスマホは部屋に置いておきなさい。」
親父は俺が思い通りにならない事でイライラしているのか、あからさまな八つ当たりで普段しない注意をしてくるので、俺もムッとして少し乱暴に席を立ちスマホを部屋に置きに行くついでにメッセージを確認すると葵からだった。
『奈々は挨拶のキスって言ってるけど、本気のキスもした!!!』
コイツ、何のつもりなんだ??
奈々ちゃんは俺にとって最大の癒しキャラって言ったのに…。恋愛感情なんてないって…。
このメッセージを見た時に感じたイライラは奈々ちゃんを取られたくない独占欲からだったなんて気づかず、感情のままにスマホをベッドに投げつけた。
家に帰っても何故か葵と奈々ちゃんのキスの話が頭から離れないでいた。
『あのね、キスって言っても葵くんは海外生活が長いでしょ?だから挨拶というかコミュニケーションの一つというか…。』
奈々ちゃんはそう言ってが葵はどう言う気持ちで彼女にキスをしたのだろう…。実際、葵は奈々ちゃんの事好きみたいだし…。
モヤモヤとした気持ちのまま、机に向かって参考書を広げていた。
テスト終わったばかりなのにまた勉強か…。
いい加減、自分でも勉強ばかりでうんざりする。でも、親父に認めてもらう為には仕方がないのだ。集中力に欠けてしまった頭ではなかなか頭に入らないから休憩でもしようかと思った時、『耕史ー!ご飯できたわよー』と、母親の声がした。
ダイニングテーブルには普段は仕事でいない親父もそこにはいて、珍しく家族全員が揃っていた。
あぁ…。親父がいると面倒なんだよね。
「なぁ、耕史。母さんから聞いたが成績が安定したそうだな。このままいけば結弦と同じ大学に通えそうだな。2人が父さんの会社を継いでくれれば安心だ。」
ほら…。な。またこの話だ。
「親父、何度も言ってるけど俺は親父の会社に就職するつもりはないよ。兄貴と同じ大学にも行かない。」
「また、その話か…。」
はぁー…。それはこっちのセリフだよ…。
「俺は設計士になりたいんだよ。兄貴よりレベルが上の大学なら建築学部に通って良いって約束だろ?」
「受験するのは自由だ。弓弦より上の大学なんてお前には無理な話。どうせ落ちるんだからちゃんと弓弦の大学も受けとけよ。」
「耕史ならちゃんと受かるよ。親父の会社のことは俺が何とかするからとにかく頑張れよ。」
「弓弦、何を言ってる!父さんの夢はお前たち2人に……。」
あぁ………。
この話が始まると長いんだよな。
親父の話しを聞き流しながら母さんが用意してくれた夕食に手をつけ始めた。幸いなことに兄貴は俺の味方でいてくれるようでいつも親父と俺の間に入ってくれていた。
いつまで経っても兄貴には敵わないな。という気持ちの反対側では勉強だけじゃなく人間としても良いやつかよ…。と、よりコンプレックスを抱いていた。そして、この親父の話題の着地点はいつも『弓弦は父さんか会社の事をちゃんと考えてくれる良い息子なのに、耕史は自分勝手で我儘な人間に育ってしまった…。』となるのだ。
将来の夢があるってそんなに自分勝手な事なのか!?
楽しいはずの家族団欒が最近の俺の中では苦痛でしかなかった。こんな時は何故かいつも奈々ちゃんの笑顔が浮かんできて俺の心を沈めて癒してくれるのだった。
『ブブブッ…』
スマホにメッセージを受信したと震える。
「耕史、食事中はスマホは部屋に置いておきなさい。」
親父は俺が思い通りにならない事でイライラしているのか、あからさまな八つ当たりで普段しない注意をしてくるので、俺もムッとして少し乱暴に席を立ちスマホを部屋に置きに行くついでにメッセージを確認すると葵からだった。
『奈々は挨拶のキスって言ってるけど、本気のキスもした!!!』
コイツ、何のつもりなんだ??
奈々ちゃんは俺にとって最大の癒しキャラって言ったのに…。恋愛感情なんてないって…。
このメッセージを見た時に感じたイライラは奈々ちゃんを取られたくない独占欲からだったなんて気づかず、感情のままにスマホをベッドに投げつけた。