ドラマティック トレイン ~ 運命の出会いは通学中に起きる
** side:耕史 **
デザートを取りに行くと、直ぐに松田は笑顔でこちらにやって来た。
「ここのビュッフェのデザートって可愛くて有名なんですよぉ!だから今日はここが良いって私からパパにお願いしたんです。でも、まさか相手が先輩のお兄さんだったなんて…。パパにお願いして相手変更してもらわなくちゃ♡」
「見合い相手を変更しても俺は松田とは付き合わないよ。」
空っぽのお皿を持ちながらウキウキしている松田を見ながら、まだ、奈々ちゃんがデザート取りに来ないことを願う。
「デザート以外も美味しかったよ。あっちのパスタとか。」
さり気なく『向こうへ行って欲しい。』とアピールしてみるが松田は気づかない。いや、気付いたとしても気にしないでそばにいるだろう。
「この間、部活の見学に来ていた人の隣にいた女の人って、私、会ったことありますよね?何となく見覚えが…。」
まずい。
「そうかなあ?俺は初めて会ったけど…。部活の見学にきた葵の幼馴染って言ってたよ。今日、俺は葵に誘われて来たんだ。」
これで誤魔化せると良いが…。
「ふーん……。私、先輩が想像している以上に先輩のことが好きで良く見てますからね。嘘はつかない方が良いですよ。」
そして、一歩近づき踵を上げると俺の耳元で囁いた。
「あの約束、覚えてますよね?」
「あぁ、もちろん。俺は早く松田に俺以外の好きな人が出来ることを祈ってるよ…。それまでの約束だろ?」
「そうでしたね。まぁ、私はまだまだ諦めないですけどね。」
松田のしつこい性格なのも狂気性も十分理解しているつもりだった。兄貴には家に帰ったら詳しくし説明するとして、今はなるべく奈々ちゃん達に近づいて欲しくなかった。
「今日は兄貴とお見合い的な顔合わせなんだろ?ほっといて良いのかよ。」
「パパが勝ってに決めた話ですから〜。うふふっ。なーんか、あいてが先輩のお兄さんだなんて運命的って感じで嬉しくなっちゃいました。」
「俺は嬉しくないけど。」
「照れ隠しですかぁ?パパに先輩のこと話しておくので今度は2人でここにきましょーよ!じゃあ、わたし、お料理とって向こうに行きますね!」
足取り軽くなった松田は機嫌良くやっと向こうに行ってくれた。
はぁぁーー…………。
一年分の神経を使った気分だ。
葵には彼女のとのこと話しておいた方が良いのかもな…。
彼女と初めて会ったのは高校受験の時だった。その時、彼女とのトラブルのせいで勉強に集中できず、何とか補欠と言う形で合格した。
そのあたりから、なにも知らない親父は通常合格できなかった俺を首席で合格した兄貴と比べてクズのような目で見るようになった。
デザートを取りに行くと、直ぐに松田は笑顔でこちらにやって来た。
「ここのビュッフェのデザートって可愛くて有名なんですよぉ!だから今日はここが良いって私からパパにお願いしたんです。でも、まさか相手が先輩のお兄さんだったなんて…。パパにお願いして相手変更してもらわなくちゃ♡」
「見合い相手を変更しても俺は松田とは付き合わないよ。」
空っぽのお皿を持ちながらウキウキしている松田を見ながら、まだ、奈々ちゃんがデザート取りに来ないことを願う。
「デザート以外も美味しかったよ。あっちのパスタとか。」
さり気なく『向こうへ行って欲しい。』とアピールしてみるが松田は気づかない。いや、気付いたとしても気にしないでそばにいるだろう。
「この間、部活の見学に来ていた人の隣にいた女の人って、私、会ったことありますよね?何となく見覚えが…。」
まずい。
「そうかなあ?俺は初めて会ったけど…。部活の見学にきた葵の幼馴染って言ってたよ。今日、俺は葵に誘われて来たんだ。」
これで誤魔化せると良いが…。
「ふーん……。私、先輩が想像している以上に先輩のことが好きで良く見てますからね。嘘はつかない方が良いですよ。」
そして、一歩近づき踵を上げると俺の耳元で囁いた。
「あの約束、覚えてますよね?」
「あぁ、もちろん。俺は早く松田に俺以外の好きな人が出来ることを祈ってるよ…。それまでの約束だろ?」
「そうでしたね。まぁ、私はまだまだ諦めないですけどね。」
松田のしつこい性格なのも狂気性も十分理解しているつもりだった。兄貴には家に帰ったら詳しくし説明するとして、今はなるべく奈々ちゃん達に近づいて欲しくなかった。
「今日は兄貴とお見合い的な顔合わせなんだろ?ほっといて良いのかよ。」
「パパが勝ってに決めた話ですから〜。うふふっ。なーんか、あいてが先輩のお兄さんだなんて運命的って感じで嬉しくなっちゃいました。」
「俺は嬉しくないけど。」
「照れ隠しですかぁ?パパに先輩のこと話しておくので今度は2人でここにきましょーよ!じゃあ、わたし、お料理とって向こうに行きますね!」
足取り軽くなった松田は機嫌良くやっと向こうに行ってくれた。
はぁぁーー…………。
一年分の神経を使った気分だ。
葵には彼女のとのこと話しておいた方が良いのかもな…。
彼女と初めて会ったのは高校受験の時だった。その時、彼女とのトラブルのせいで勉強に集中できず、何とか補欠と言う形で合格した。
そのあたりから、なにも知らない親父は通常合格できなかった俺を首席で合格した兄貴と比べてクズのような目で見るようになった。