ドラマティック トレイン ~ 運命の出会いは通学中に起きる
10.向けられた敵意
高級ホテルでビュッフェとプールを満喫きた日から1週間が過ぎた。プールで遊ばせてもらった話を聞いた真美ちゃんは彼氏と記念日デートなんてキャンセルすればよかったとひどく後悔し、次に誘われた時は何が何でも必ず行くと張り切っていた。真美ちゃんには伝えていないが、磐田くんの辛い話を聞いた後だったので、気持ちも切り替わって良かったし、姉の彼氏が言ったように『楽しい記憶』として彼にとってあの日が終われた事を願う。
あの日、ホテルの部屋にいたメンバーでメッセージアプリのトークグループを作り連絡を取り合うようにした。そこでの話によると磐田くんはお兄さんに過去に起きたあの事件の話をしたが、私に水をかけた場面に居合わせず、且つ、礼儀正しい松田さんしか見ていないお兄さんは半信半疑のようで信じ難いと言った様子だっそう。しかし、『心には留めておくよ』とは言ってくれたそうだ。
水をかけられる少し前、磐田くんとのビュッフェに正直に言って浮かれていた。もしかしたら、私が磐田くんのことを意識してる事が松田さんに伝わっちゃったから、水をかけられたのかもしれない。
なんて服を乾かしながら思ったのだが、みんなの前でそれを言うことは告白したも同然。黙って心にしまっておくことにし、松田さんの嫉妬深い性格のせいだと皆が言うので反論せずに話の流れに任せた。
ホームルームが始まって5分くらい経ってからだったと思う。担任がクラスの出欠確認をしていたら学年主任の先生が入って来た。
「中村先生、ホームルーム中にすみません。」
ジャージを来た体育教師である田中先生とは真逆で英語教師の中村先生はネクタイ閉めていた。
「田中先生、どうされました?」
一瞬目があっなかな?と思うくらいの視線をこちらに向けた。
「佐藤。悪いがホームルームの後に職員室に来てくれ。」
少し気まずそうに言うので家族に何かあったのでは…。と不安がよぎった。
「…はい。分かりました。」
と、生徒達の注目浴びながら返事をし、ホームルームが終わると約束通りに職員室へ向かったのだが、想像以上の展開が待っていた。
「こんな写真がたった今、送られて来たんだけれど…。」
田中先生は写真を表示させたパソコンの画面を私に向けた。そこに写っていたのはネオンギラギラの繁華街で中年男性とラブホテルに入ろうとしている私の姿だった。男性の顔はピンボケしていているが私の顔はくっきりハッキリしていたのでゾッとした。こんな場所に行ったこともないし、これではまるでパパ活している女子高生だ。同然そんなことした事がない。なぜこんな写真が存在するのかと恐怖が込み上げる。
「ついさっき、学校のホームページのお問い合わせフォームにこの写真のリンクが貼られたメッセージが届いたんだ。この写真について説明して欲しいんだが。」
「わかりません。」
「しかし、ここに写っているのは佐藤だろ?」
「私のように見えますが、ここがどこか分かりませんし、全く心当たりがないので私が説明して欲しいくらいです。」
こないだの磐田くんの話に松田さんがSNSに変な写真を投稿してライバル潰しをしていたと聞いていたので、彼女の仕業では…?と頭によぎった。まさか、学校にこんな写真を送ってくるなんて…。本当に彼女の仕業なのか証拠がない。何か手掛かりがないかと見せられたら写真をじっくり隅々まで確認した。
あれ…。もしかして、この写真…。
慌ててスマホを制服のポケットから出して写真フォルダを開きスクロールする。
やっぱり…。
「先生…これ、合成だと思います。」
真美ちゃんとタケッちと3人で遊園地にあるお化け屋敷に行った時の写真を先生に見せた。
元々お化けやホラーが苦手な私を無理やりお化け屋敷に連れ込もうとしている写真で、入り口で駄々を捏ねて本気で嫌がる私の姿を真美ちゃんが撮影したものだった。
田中先生はパソコンとスマホに表示された写真を見比べて黙りしながらも何か考えているようだった。
「確かに合成っぽいな。男性のピントとお前のピントが不自然だ。こんなのを送りつけられるような心当たりはあるのか??実はいじめにあってたりするのか?」
先生は心配そうに覗き込む。
「なんでこんな写真が送られて来たのかは分かりませんし、イジメられてもいないです。」
「こんな写真が送られてきたからには、親御さんには報告しておかないとな…。」
「そんな!両親には心配かけたく無いので困ります。」
こんな写真を見せられたら父も母もパニックだ。磐田くんのことをすべて説明することになり、今後の付き合いもやめさせられるだろう。そんなことになりたくないので、田中先生を説得し、成人している姉を呼んで報告する事で納得してもらった。しかし、次に同じような事が起きた時には必ず両親に連絡をことを約束させられ、今日は気持ちが落ち着かないだろうから帰宅しなさいと、解放された。
「大丈夫??」
帰宅の電車で姉が心配そうに聞いてくる。
「うん、意外と平気。それよりどこであの写真が漏れたんだろ…。スマホはいつも手元にあるし、盗まれたことなんて無いのに…。」
あの画像を持っているのは一緒に遊園地に行ったタケっちと真美ちゃんと私の3人。タケっちが私の画像を松田さんに渡す訳がないし、松田さんと接点のない真美ちゃんならなおのこと。意味もなく画像を他人に送るような二人ではないので不思議で仕方がなかった。
あの日、ホテルの部屋にいたメンバーでメッセージアプリのトークグループを作り連絡を取り合うようにした。そこでの話によると磐田くんはお兄さんに過去に起きたあの事件の話をしたが、私に水をかけた場面に居合わせず、且つ、礼儀正しい松田さんしか見ていないお兄さんは半信半疑のようで信じ難いと言った様子だっそう。しかし、『心には留めておくよ』とは言ってくれたそうだ。
水をかけられる少し前、磐田くんとのビュッフェに正直に言って浮かれていた。もしかしたら、私が磐田くんのことを意識してる事が松田さんに伝わっちゃったから、水をかけられたのかもしれない。
なんて服を乾かしながら思ったのだが、みんなの前でそれを言うことは告白したも同然。黙って心にしまっておくことにし、松田さんの嫉妬深い性格のせいだと皆が言うので反論せずに話の流れに任せた。
ホームルームが始まって5分くらい経ってからだったと思う。担任がクラスの出欠確認をしていたら学年主任の先生が入って来た。
「中村先生、ホームルーム中にすみません。」
ジャージを来た体育教師である田中先生とは真逆で英語教師の中村先生はネクタイ閉めていた。
「田中先生、どうされました?」
一瞬目があっなかな?と思うくらいの視線をこちらに向けた。
「佐藤。悪いがホームルームの後に職員室に来てくれ。」
少し気まずそうに言うので家族に何かあったのでは…。と不安がよぎった。
「…はい。分かりました。」
と、生徒達の注目浴びながら返事をし、ホームルームが終わると約束通りに職員室へ向かったのだが、想像以上の展開が待っていた。
「こんな写真がたった今、送られて来たんだけれど…。」
田中先生は写真を表示させたパソコンの画面を私に向けた。そこに写っていたのはネオンギラギラの繁華街で中年男性とラブホテルに入ろうとしている私の姿だった。男性の顔はピンボケしていているが私の顔はくっきりハッキリしていたのでゾッとした。こんな場所に行ったこともないし、これではまるでパパ活している女子高生だ。同然そんなことした事がない。なぜこんな写真が存在するのかと恐怖が込み上げる。
「ついさっき、学校のホームページのお問い合わせフォームにこの写真のリンクが貼られたメッセージが届いたんだ。この写真について説明して欲しいんだが。」
「わかりません。」
「しかし、ここに写っているのは佐藤だろ?」
「私のように見えますが、ここがどこか分かりませんし、全く心当たりがないので私が説明して欲しいくらいです。」
こないだの磐田くんの話に松田さんがSNSに変な写真を投稿してライバル潰しをしていたと聞いていたので、彼女の仕業では…?と頭によぎった。まさか、学校にこんな写真を送ってくるなんて…。本当に彼女の仕業なのか証拠がない。何か手掛かりがないかと見せられたら写真をじっくり隅々まで確認した。
あれ…。もしかして、この写真…。
慌ててスマホを制服のポケットから出して写真フォルダを開きスクロールする。
やっぱり…。
「先生…これ、合成だと思います。」
真美ちゃんとタケッちと3人で遊園地にあるお化け屋敷に行った時の写真を先生に見せた。
元々お化けやホラーが苦手な私を無理やりお化け屋敷に連れ込もうとしている写真で、入り口で駄々を捏ねて本気で嫌がる私の姿を真美ちゃんが撮影したものだった。
田中先生はパソコンとスマホに表示された写真を見比べて黙りしながらも何か考えているようだった。
「確かに合成っぽいな。男性のピントとお前のピントが不自然だ。こんなのを送りつけられるような心当たりはあるのか??実はいじめにあってたりするのか?」
先生は心配そうに覗き込む。
「なんでこんな写真が送られて来たのかは分かりませんし、イジメられてもいないです。」
「こんな写真が送られてきたからには、親御さんには報告しておかないとな…。」
「そんな!両親には心配かけたく無いので困ります。」
こんな写真を見せられたら父も母もパニックだ。磐田くんのことをすべて説明することになり、今後の付き合いもやめさせられるだろう。そんなことになりたくないので、田中先生を説得し、成人している姉を呼んで報告する事で納得してもらった。しかし、次に同じような事が起きた時には必ず両親に連絡をことを約束させられ、今日は気持ちが落ち着かないだろうから帰宅しなさいと、解放された。
「大丈夫??」
帰宅の電車で姉が心配そうに聞いてくる。
「うん、意外と平気。それよりどこであの写真が漏れたんだろ…。スマホはいつも手元にあるし、盗まれたことなんて無いのに…。」
あの画像を持っているのは一緒に遊園地に行ったタケっちと真美ちゃんと私の3人。タケっちが私の画像を松田さんに渡す訳がないし、松田さんと接点のない真美ちゃんならなおのこと。意味もなく画像を他人に送るような二人ではないので不思議で仕方がなかった。