ドラマティック トレイン ~ 運命の出会いは通学中に起きる
11.素直な気持ち
あの時、磐田くん、何を言おうとしたんだろ…。
『君のせいじゃないんだ。俺が奈々ちゃんの事…。』
あんな言われ方をしたら、言葉の続きを期待してしまう…。
そのまま松田さんに連れて行かれてしまったので彼の言葉を最後まで聞く事ができず、続きが気になって仕方がなかった。
松田さん、私が諦めるって言ったから磐田くんを解放してくれるかなぁ…。一度付き合い始めたからそう簡単には離してくれないかも…。それでも、私が磐田くんに近づいたせいで彼の弱みになり自由を奪われてしまったのだから罪悪感でいっぱいだ。
もっと早く松田さんに私が話をすることができていたら、磐田くんは無理やり彼女と付き合わずにすんだのかなぁ…。
もしも…◯◯だったら。と言う言葉がずっと頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。
帰宅するのには暗い道を1箇所通らなければならず、もし、そこで何かあったら困ると姉と葵くんが言うので、今日は人の目が多い自宅の最寄り駅で葵くんと待ち合わせをしていた。
まだかなぁ…。
磐田くんの話だと既に家に帰っているようなので、きっと自宅のある方から来るのだろう。駅の改札に背を向けて大通りの信号付近に立ち、向かいの歩道に葵くんがいないか探してながら待っていた。
私、葵くんの言葉に甘えて、ちゃんと告白の返事をしてなかったな…。
例え、実らない恋だとしても私が好きな人は磐田くんだって葵くんに伝えなくちゃ…。このままズルズルと、彼の親切に甘えてばかりではいけない。そりゃ、幼馴染の関係が崩れてしまうのは嫌だけど、葵くんだってそれを含めて勇気を出して伝えてくれたんだもの。私だってちゃんと答えを出さなくちゃ…。
ふと視線を上げると葵くんが私のいる歩道と反対側を歩いてくるのが見えた。向こうも私の存在に気がついたようで目が合うとニコリと白い歯が見えた。
『信号が青になったらそっちに行くね!』
と、ジェスチャーをして伝える。
葵くんは大きく頷いたので意味が通じたのだとホッとした時だった。
『ドンっ』
えっ?
背中を思い切り押されてた感覚が走ったと思ったら、一瞬で車道に横になっていた。
えっ?
なんで?
車のヘッドライトが眩しくて目を閉じるが、全身が光に包まれているのが目をしっかり瞑っていてもしっかり感じとることができ、そして、次に目を開けるとカーテンレールに囲まれた天井がぼんやりと見えていた。
周りがなんだか騒がしい…。
学校の保健室?
それにしてはカーテンの色が違っていた。
そうだ。確か葵くんと待ち合わせして信号待ちをしていたら突然後ろから誰かに突き飛ばされたんだった…。
「……ここは、病院?」
私の声に気づいた姉が安堵の表情を浮かべる。
「お母さん!奈々が目を覚ました!!」
ベッドの周りに覗き込むように姉と母、父までも…。それを外から囲むように姉の彼氏に葵くん…。
えっ?磐田くんまで?なんで!?
「…なんでみんな揃ってるの?」
「ごめん、奈々ちゃん。全部俺のせいなんだ。俺がちゃんとしていれば…。」
そう言う磐田くんの後ろには以前ホテルで見かけた彼のお兄さんもいた。
「奈々は誰かに突き飛ばされて車に轢かれたんだ。俺がもう少し早く駅についていれば…。」
葵くんは悔しそうに俯きながら強く手を握りしめている。
「そうなの。車にぶつかって、それで頭ぶつけて脳震盪起こして気を失ってたのよっ!本当に心配したんだからッ!」
「事故の直前、奈々ちゃんを突き飛ばす女の子の姿を見たって話もあってね、警察が色々調べてくれているところだよ。」
涙する姉を姉の彼は姉を抱き寄せると現状を説明してくれた。この中で一番落ち着いているのは何気に姉の彼かもしれない。
意識が戻ったことを看護師さんに伝えると皆は外に一度出され一通りチェックされる。頭をぶつけているので念のため一晩だけ入院することになり、
両親は入院の手続きをしている間に他のみんなは帰された。
『君のせいじゃないんだ。俺が奈々ちゃんの事…。』
あんな言われ方をしたら、言葉の続きを期待してしまう…。
そのまま松田さんに連れて行かれてしまったので彼の言葉を最後まで聞く事ができず、続きが気になって仕方がなかった。
松田さん、私が諦めるって言ったから磐田くんを解放してくれるかなぁ…。一度付き合い始めたからそう簡単には離してくれないかも…。それでも、私が磐田くんに近づいたせいで彼の弱みになり自由を奪われてしまったのだから罪悪感でいっぱいだ。
もっと早く松田さんに私が話をすることができていたら、磐田くんは無理やり彼女と付き合わずにすんだのかなぁ…。
もしも…◯◯だったら。と言う言葉がずっと頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。
帰宅するのには暗い道を1箇所通らなければならず、もし、そこで何かあったら困ると姉と葵くんが言うので、今日は人の目が多い自宅の最寄り駅で葵くんと待ち合わせをしていた。
まだかなぁ…。
磐田くんの話だと既に家に帰っているようなので、きっと自宅のある方から来るのだろう。駅の改札に背を向けて大通りの信号付近に立ち、向かいの歩道に葵くんがいないか探してながら待っていた。
私、葵くんの言葉に甘えて、ちゃんと告白の返事をしてなかったな…。
例え、実らない恋だとしても私が好きな人は磐田くんだって葵くんに伝えなくちゃ…。このままズルズルと、彼の親切に甘えてばかりではいけない。そりゃ、幼馴染の関係が崩れてしまうのは嫌だけど、葵くんだってそれを含めて勇気を出して伝えてくれたんだもの。私だってちゃんと答えを出さなくちゃ…。
ふと視線を上げると葵くんが私のいる歩道と反対側を歩いてくるのが見えた。向こうも私の存在に気がついたようで目が合うとニコリと白い歯が見えた。
『信号が青になったらそっちに行くね!』
と、ジェスチャーをして伝える。
葵くんは大きく頷いたので意味が通じたのだとホッとした時だった。
『ドンっ』
えっ?
背中を思い切り押されてた感覚が走ったと思ったら、一瞬で車道に横になっていた。
えっ?
なんで?
車のヘッドライトが眩しくて目を閉じるが、全身が光に包まれているのが目をしっかり瞑っていてもしっかり感じとることができ、そして、次に目を開けるとカーテンレールに囲まれた天井がぼんやりと見えていた。
周りがなんだか騒がしい…。
学校の保健室?
それにしてはカーテンの色が違っていた。
そうだ。確か葵くんと待ち合わせして信号待ちをしていたら突然後ろから誰かに突き飛ばされたんだった…。
「……ここは、病院?」
私の声に気づいた姉が安堵の表情を浮かべる。
「お母さん!奈々が目を覚ました!!」
ベッドの周りに覗き込むように姉と母、父までも…。それを外から囲むように姉の彼氏に葵くん…。
えっ?磐田くんまで?なんで!?
「…なんでみんな揃ってるの?」
「ごめん、奈々ちゃん。全部俺のせいなんだ。俺がちゃんとしていれば…。」
そう言う磐田くんの後ろには以前ホテルで見かけた彼のお兄さんもいた。
「奈々は誰かに突き飛ばされて車に轢かれたんだ。俺がもう少し早く駅についていれば…。」
葵くんは悔しそうに俯きながら強く手を握りしめている。
「そうなの。車にぶつかって、それで頭ぶつけて脳震盪起こして気を失ってたのよっ!本当に心配したんだからッ!」
「事故の直前、奈々ちゃんを突き飛ばす女の子の姿を見たって話もあってね、警察が色々調べてくれているところだよ。」
涙する姉を姉の彼は姉を抱き寄せると現状を説明してくれた。この中で一番落ち着いているのは何気に姉の彼かもしれない。
意識が戻ったことを看護師さんに伝えると皆は外に一度出され一通りチェックされる。頭をぶつけているので念のため一晩だけ入院することになり、
両親は入院の手続きをしている間に他のみんなは帰された。