ドラマティック トレイン ~ 運命の出会いは通学中に起きる
12.切り開いた未来
全てを明らかにし、磐田くんが松田さんから解放されてから1週間がたった。
その間に松田さん親子が我が家にも謝罪に来た。父と母はまさか事故の原因が同世代の女の子によるものだと想像もしていなかったようで、知った時は驚きすぎて怒ることを忘れ、彼女たちが帰った後に怒りのピークを迎えた。
姉の彼の活躍によって全て解決したので、父は姉の彼氏が大好きになり、『あの男はいい男だ!絶対に結婚しろ!!』と晩酌のたびにしつこく言うので、父がお酒を飲み始めると姉はさっさと自分の部屋に引きこもるようになった。葵くんは相変わらず我が家に入り浸っているので、『俺も中々ないい男っすよ!』と、調子のいいこと言って酔っ払った父の話を聞きながら母の料理を堪能していた。葵くんの気遣いあって、私たちの関係は今まで通り仲の良い幼馴染でいられている。
そして、私と磐田くんは……。
「ねぇ、たまには途中下車でもしてみない?」
そう言われて、何の目的もないまま電車を降りて2人でぶらぶらと歩いていると、普段、電車の中から見ている公園にたどり着いた。車窓の景色の中に自分たちがいるのが何となく不思議な感じだった。
彼の話によると、あれ以来、松田さんは学校に来ていないそうだ。
『もっと早く大人に助けを求めていれば良かった。』と言った磐田くんの顔は綺麗さっぱり吹っ切っれたように清々しく見えた。
お父さんとの関係も良くなったそうで、彼にとって全て良い方向へと進んでいる。と聞いて嬉しく思う。
キーーっ。キーーっ。
2人でブランコに座って揺られてみる。
「俺が色々悩んで辛かった時、電車の中で奈々ちゃんを見つけたんだ。本を読んでいる時の奈々ちゃんは本に合わせて表情がころころと変わって可愛くて俺の癒しだったよ。」
「そんな姿を見られてたなんて……。すごく恥ずかしい。」
照れ隠しにブランコの下にある砂を足でいじってしまう。
「偶然、奈々ちゃんに会えたことで毎日の通学が楽しみになってた…。」
「……わたしも、磐田くんと電車で話すの楽しみだった。」
「ほんとに?マジで嬉しい。」
磐田くんのブランコを漕ぐスピードが少し上がった。
「ずっと、松田のことがあったから奈々ちゃんを電車の中で見てるだけでいいと思うようにしてた。だけど、本当に人を好きになると、自分じゃ気持ちのコントロールなんて出来なくて…。葵にも取られたくないって思うようになって…。ずっと、頭の中がぐちゃぐちゃだった…。好きな子に好きって言えないことがこんなに苦しい事なんだって初めて知ったよ。」
磐田くんはブランコから飛び降りると私の前に立ち私を立たせた。
「奈々ちゃん、俺、ずっと奈々ちゃんの事が好きなんだ。俺と付き合ってください。彼女になって欲しい。」
好きな人に告白をされると、こんなにも心臓が飛び跳ねて世界が明るくなるなんて知らなかった。どんな小説の表現にも当てはまらない幸せな気持ちになった。
「…私、どこにでもいるような普通の人間だけどいいの??」
「俺にとって奈々ちゃんは普通なんかじゃないよ。俺の世界を変えてくれる最高の女の子だ。」
「私…、磐田くんにはずっと釣り合わないって思ってた。だから、すごく嬉しい。」
「釣り合わないって何だよ…。俺には奈々ちゃんしか有り得ない。好きだよ。」
「…うん。私も好き。」
他に誰もいない公園で二人、ゆっくりとくちびるが合わさった。
…END…
その間に松田さん親子が我が家にも謝罪に来た。父と母はまさか事故の原因が同世代の女の子によるものだと想像もしていなかったようで、知った時は驚きすぎて怒ることを忘れ、彼女たちが帰った後に怒りのピークを迎えた。
姉の彼の活躍によって全て解決したので、父は姉の彼氏が大好きになり、『あの男はいい男だ!絶対に結婚しろ!!』と晩酌のたびにしつこく言うので、父がお酒を飲み始めると姉はさっさと自分の部屋に引きこもるようになった。葵くんは相変わらず我が家に入り浸っているので、『俺も中々ないい男っすよ!』と、調子のいいこと言って酔っ払った父の話を聞きながら母の料理を堪能していた。葵くんの気遣いあって、私たちの関係は今まで通り仲の良い幼馴染でいられている。
そして、私と磐田くんは……。
「ねぇ、たまには途中下車でもしてみない?」
そう言われて、何の目的もないまま電車を降りて2人でぶらぶらと歩いていると、普段、電車の中から見ている公園にたどり着いた。車窓の景色の中に自分たちがいるのが何となく不思議な感じだった。
彼の話によると、あれ以来、松田さんは学校に来ていないそうだ。
『もっと早く大人に助けを求めていれば良かった。』と言った磐田くんの顔は綺麗さっぱり吹っ切っれたように清々しく見えた。
お父さんとの関係も良くなったそうで、彼にとって全て良い方向へと進んでいる。と聞いて嬉しく思う。
キーーっ。キーーっ。
2人でブランコに座って揺られてみる。
「俺が色々悩んで辛かった時、電車の中で奈々ちゃんを見つけたんだ。本を読んでいる時の奈々ちゃんは本に合わせて表情がころころと変わって可愛くて俺の癒しだったよ。」
「そんな姿を見られてたなんて……。すごく恥ずかしい。」
照れ隠しにブランコの下にある砂を足でいじってしまう。
「偶然、奈々ちゃんに会えたことで毎日の通学が楽しみになってた…。」
「……わたしも、磐田くんと電車で話すの楽しみだった。」
「ほんとに?マジで嬉しい。」
磐田くんのブランコを漕ぐスピードが少し上がった。
「ずっと、松田のことがあったから奈々ちゃんを電車の中で見てるだけでいいと思うようにしてた。だけど、本当に人を好きになると、自分じゃ気持ちのコントロールなんて出来なくて…。葵にも取られたくないって思うようになって…。ずっと、頭の中がぐちゃぐちゃだった…。好きな子に好きって言えないことがこんなに苦しい事なんだって初めて知ったよ。」
磐田くんはブランコから飛び降りると私の前に立ち私を立たせた。
「奈々ちゃん、俺、ずっと奈々ちゃんの事が好きなんだ。俺と付き合ってください。彼女になって欲しい。」
好きな人に告白をされると、こんなにも心臓が飛び跳ねて世界が明るくなるなんて知らなかった。どんな小説の表現にも当てはまらない幸せな気持ちになった。
「…私、どこにでもいるような普通の人間だけどいいの??」
「俺にとって奈々ちゃんは普通なんかじゃないよ。俺の世界を変えてくれる最高の女の子だ。」
「私…、磐田くんにはずっと釣り合わないって思ってた。だから、すごく嬉しい。」
「釣り合わないって何だよ…。俺には奈々ちゃんしか有り得ない。好きだよ。」
「…うん。私も好き。」
他に誰もいない公園で二人、ゆっくりとくちびるが合わさった。
…END…