お嬢様と俺様!?〜1〜
【…はい、こちら吉良でござ……】

電話に出た声は執事の北川愁(きたかわしゅう)さんだった。
あたしはその声をさえぎるように、元気よく話し出した。

「あっ、あたしー!柚っ!!
北川さん?お母様、いる?」

【ああ、柚お嬢様っ!
お母様なら、只今2階にいらっしゃいますが…
どのようなご用件でしょう…?】

「あっ、今から行ってもいい?って聞いてくれる?」

【かしこまりました。少々お待ちください。】

「はいはあーい!」

しばらく待っていると…

―――――【お嬢様、お待たせしました。
えー、お母様からの伝言です。“いいわよ!でも、2階には来ないでね…?お昼ご飯は、まだなら作ってあげるから友達も連れてらっしゃい。”とのことです。】

「ありがとっ、北川さんっ!じゃあ、今から行くねっ。4人だからっ♪」

【お待ちください、柚お嬢様!只今、リムジンをそちらへ走らせます。どちらにいらっしゃいますか?】

いーのにっ…。

「あっ、ありがと!えっと、カラスリ!分かる?」

【えー、わたくしは分かりませんが、最上なら分かると思います。ですが、一応正式名称を教えていただけますか?】

最上さんは、最上雅輝(もがみまさき)さんのこと。吉良家の運転手。

「カラオケ999っ!
柳町2丁目にあるからー!!」

【ありがとうございます。では、そちらでしばらくお待ちください。】

「はあーい!じゃあねえ〜☆」

…プチッ

ツーツーツーツー

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