強烈な旦那様♡おバカなカメ
同窓会での出来事
今日は、夏菜の中学の時の同窓会だ。
李範が会場近くの駅まで、車で送っていた。
「りーくん、ありがとう!」
「ん。
カメ(夏菜の愛称)、何かあったら電話しろよ?
すぐに駆けつけるから!」
「うん!また、終わったら連絡するね!」
同窓会会場のホテルに向かう。
「夏菜?」
「ん?晶子ちゃん?」
「うん!晶子、晶子!」
「キャー!晶子ちゃんだぁー!」
晶子は小中と親友で、夏菜の姉のような人だ。
とにかくトロくて、少々頭の回転が遅い天然女性・夏菜。
(李範に“カメ”と言われるのは、それが所以。
しかし李範からしたら、そこが可愛いくてしかたがない)
反対に頭の回転が早く、リーダーシップ力のある晶子。
正反対な二人だが、とてもウマが合い、いつも一緒にいた。
高校受験で、頭の造りが違う二人は離ればなれになったのだ。
「━━━━━夏菜は今、仕事何してるの?」
「大学卒業して、結婚したの。
今は、専業主婦だよ!」
「嘘!?ほんと!?
夏菜が、人妻!?」
「うん!」
「そっかぁー、おめでとう!子どもは?」
「え?あ…うん……」
「ん?
私、なんか気に障ること聞いたかな?」
「私、事故で子宮をとったの。
だから、妊娠できないの」
「そう…なの……
ごめん!私、何も考えずに言っちゃって!」
慌てたように頭を下げる、晶子。
「ううん!
………………こんな言い方、変だけど……
今の旦那さんに出逢えたのは、事故のおかげなの」
夏菜は、少し微笑み言った。
五年前━━━━━━
夏菜が、二十歳の時。
大学の友人と花火大会に行った帰り、駅に人々が殺到し、小柄な夏菜は駅の階段から転げ落ちたのだ。
それで腹におもいきり、手摺が刺さるように打って子宮を損傷したのだ。
その時、同じくバイク事故で運ばれたのが当時23歳だった李範だ。
当時、李範と夏菜が運ばれた病院は患者が多く、普段は個室として使われている病室に二人で入院させられたのだ。
子宮を取り、かなりのショックを受けていた夏菜を慰め立ち直らせたのが、他でもない李範なのだ。
夏菜のことを“カメ”と呼び、気にかけていてくれた李範。
事故の恐怖やショック、先の未来への不安で情緒不安定だった夏菜。
病室で、暴れることも少なくなかった。
李範が会場近くの駅まで、車で送っていた。
「りーくん、ありがとう!」
「ん。
カメ(夏菜の愛称)、何かあったら電話しろよ?
すぐに駆けつけるから!」
「うん!また、終わったら連絡するね!」
同窓会会場のホテルに向かう。
「夏菜?」
「ん?晶子ちゃん?」
「うん!晶子、晶子!」
「キャー!晶子ちゃんだぁー!」
晶子は小中と親友で、夏菜の姉のような人だ。
とにかくトロくて、少々頭の回転が遅い天然女性・夏菜。
(李範に“カメ”と言われるのは、それが所以。
しかし李範からしたら、そこが可愛いくてしかたがない)
反対に頭の回転が早く、リーダーシップ力のある晶子。
正反対な二人だが、とてもウマが合い、いつも一緒にいた。
高校受験で、頭の造りが違う二人は離ればなれになったのだ。
「━━━━━夏菜は今、仕事何してるの?」
「大学卒業して、結婚したの。
今は、専業主婦だよ!」
「嘘!?ほんと!?
夏菜が、人妻!?」
「うん!」
「そっかぁー、おめでとう!子どもは?」
「え?あ…うん……」
「ん?
私、なんか気に障ること聞いたかな?」
「私、事故で子宮をとったの。
だから、妊娠できないの」
「そう…なの……
ごめん!私、何も考えずに言っちゃって!」
慌てたように頭を下げる、晶子。
「ううん!
………………こんな言い方、変だけど……
今の旦那さんに出逢えたのは、事故のおかげなの」
夏菜は、少し微笑み言った。
五年前━━━━━━
夏菜が、二十歳の時。
大学の友人と花火大会に行った帰り、駅に人々が殺到し、小柄な夏菜は駅の階段から転げ落ちたのだ。
それで腹におもいきり、手摺が刺さるように打って子宮を損傷したのだ。
その時、同じくバイク事故で運ばれたのが当時23歳だった李範だ。
当時、李範と夏菜が運ばれた病院は患者が多く、普段は個室として使われている病室に二人で入院させられたのだ。
子宮を取り、かなりのショックを受けていた夏菜を慰め立ち直らせたのが、他でもない李範なのだ。
夏菜のことを“カメ”と呼び、気にかけていてくれた李範。
事故の恐怖やショック、先の未来への不安で情緒不安定だった夏菜。
病室で、暴れることも少なくなかった。
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